△セファロ読本△まえがき
このセファロ読本は、GPといわれる一般開業医のためのものです。
私はGPこそ矯正に適した歯科医師であると考えています。
全ての歯科開業医に矯正治療ができるようになれると考えています。
矯正治療を始めるにあたって
矯正にはセファロがどうしても必要なのだ
という考え方が蔓延している現状の中で、
はたしてそうなのだろうかということです。
GPのために分かりやすいセファロの本をと思っているのは、
そのことをくつがえす必要があるからです。
この「セファロ読本」はGPのための入門書として書き上げたつもりですが、
完成してみると、これ以上詳しい内容の本は、現在ないことが分かりました。
代表的なセファロの方法を全て載せてあるということも画期的なことです。
このようにして、セファロ読本が出来上がり、再び読み返してみても、
やはりセファロの重要性は感じることができません。
セファロは脇役であり、パノラマ以下の評価しかできないのです。
GPの人が矯正をするのにセファロがぜひとも必要とはとても思えません。
しかし、何故必要ないのかを知るためにも逆説的な言い方ですが、
セファロのことを知っておくことも良いでしょう。
無知と英知では英知が勝っています。
知らないより、知っておくのがよいのです。
使うか使わないかということは知っておいて初めて判断ができます。
そういうことをまず理解していただきたいと思います。
GPが矯正をするとき、
ぜひとも必要なことは診断を正しくできるということです。
診断の正しいことこそ大切なことです。
治療テクニックになりますが、顔の中心が美人の中心だということです。
したがって、顔の中心と上顎の歯の中心との一致が必要なのです。
上顎の正中線と下顎の正中線を合わせても、顔の中心に合っていないと、
顔はゆがんでしまいます。
第一大臼歯をクラス1にすることも必要です。
特に10歳までの子供の時に、必ずクラス1の咬合の形にすることです。
信頼こそ大切なことなのです。
どうでも良いことは、上顎と下顎の正中線を無理矢理に合わせることです。
このことは顔の中心に合わせることが大切で、
上下顎の正中の一致はできればということぐらいのことで
絶対という考えに立たないことです。
してはいけないことは小臼歯を4本抜歯することや、
側方拡大による方法です。
これはルンドストロームの1925年発表の
歯槽基底論で解決済みのことです。
それに逆行するテクニックではうまく行かないでしょう。
ブローディのバクシネーターの理論も同じ様なことを証明しています。
ヘッドギヤーを使用してはいけません。
このような中で、
成人矯正では小臼歯の4本抜歯は行ってはならないことなのです。
このような正しい考えの中でGPが矯正を行えば審美だけでなく
機能的にも必ず社会に奉仕し、貢献できることになります。
GPこそ、矯正に適した人であると、
大いなる自信を持っていただきたいと思います。
(DBAより)
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