△セファロの研究△スタイナー法△スタイナー法の実際
△セファロの研究△スタイナー法△
スタイナー法の実際
スタイナー法のフィロソフィとして実際には次の考え方に基づいている。
ANBを重視して、このANBの治療後の予測をとおして、
臨床的に応用しようとするものである。
つまり、ANBの値によって、あらかじめ定められている
上顎と下顎の中切歯の位置と角度によって、
完成された治療目標とするのである。
これを治療目標とするのであるが治療によって
ホルダウェイレシオをもって、臨床的治療目標値とする。
ホルダウェイレシオとは、
下顎中切歯の最突出部からナジオンとB点とを結ぶ直線への垂直距離
を一つとする。
もう一つはポゴニオンからナジオンとB点を結ぶ直線への垂直距離
を用いる。
この2つの垂直距離の比率のことをホルダウェイレシオという。
治療目標を設定するのに利用するのは下顎中切歯の角度である。
下顎中切歯の角度の決定により、下顎中切歯の位置も決定される。
治療後の理想的な比率を白人では1:1としている。
しかし日本人においては2:1から4:1の間にある。
このように幅がある場合には、
術者の経験による目標値を考慮して治療目標を設定するとしている。
幅が大きすぎることから、
科学性には乏しいといえるのではないだろうか。
経験という主観が大きいことになり、
何のためのセファロかという疑問があって当然なのである。
その他、患者の年齢、人種、顔面のタイプを考慮することで
治療設定の目標とする。それだけではない。
セファロによる設定目標によって
下顎中切歯の移動量、
歯列弓のディスクレパシーの量、
スピーのわん曲の平坦化によるもの、
治療による第一大臼歯の移動量、
歯列拡大による影響、
顎間ゴム使用等の影響、
顎外力使用の影響、
抜歯による空隙量など、
あらゆる用いる手段による影響を考えて検討する。
これによって、スタイナーの抜歯基準ができており、
抜歯か非抜歯の判定をおこなうのである。
(DBAより)
以下は繰り返しとなりますが、重要事項です、参考までに・・・
DBAのまえがき
(DBA主幹 阿部和弘先生の一般開業医向けの言葉)より
「このセファロ読本は一般開業医のためのものです。
私は一般開業医こそ矯正に適した歯科医師であると考えています。
全ての一般歯科開業医に矯正治療ができるようになっていただきたいと
考えています。矯正治療を始めるにあたって、
矯正にはセファロがどうしても必要なのだという考え方が
蔓延している現状の中で、はたしてそうなのだろうかということです。
分かりやすいセファロの本をと思っているのは、
そのことをくつがえす必要があるからです。
この「セファロ読本」は一般歯科開業医のための入門書として
書き上げたつもりですが、
完成してみると、
これ以上詳しい内容の本は、現在ないことが分かりました。
代表的なセファロの方法を全て載せてあるということも画期的なことです。
このようにして、セファロ読本が出来上がり、再び読み返してみても、
やはりセファロの重要性は感じることができません。
セファロは脇役であり、パノラマ以下の評価しかできないのです。
一般歯科開業医の人が矯正をするのに
セファロがぜひとも必要とはとても思えません。
しかし、何故必要ないのかを知るためにも逆説的な言い方ですが、
セファロのことを知っておくことも良いでしょう。
無知と英知では英知が勝っています。
知らないより、知っておくのがよいのです。
使うか使わないかということは知っておいて初めて判断ができます。
そういうことをまず理解していただきたいと思います。
一般歯科開業医が矯正をするとき、
ぜひとも必要なことは診断を正しくできるということです。
診断の正しいことこそ大切なことです。
治療テクニックになりますが、
顔の中心が美人の中心だということです。
したがって、顔の中心と上顎の歯の中心との一致が必要なのです。
上顎の正中線と下顎の正中線を合わせても、
顔の中心に合っていないと、顔はゆがんでしまいます。
第一大臼歯をクラス1にすることも必要です。
特に10歳までの子供の時に、必ずクラス1の咬合の形にすることです。
そして、料金を明確にすることです。信頼こそ大切なことなのです。
上顎と下顎の正中線を無理矢理に合わせることは、どうでもよい事です。
このことは顔の中心に合わせることが大切で、
上下顎の正中の一致はできればということぐらいのことで
絶対という考えに立たないことです。
してはいけないことは小臼歯を4本抜歯することや、
側方拡大による方法です。
これはルンドストロームの1925年発表の歯槽基底論で解決済みのことです。
それに逆行するテクニックではうまく行かないでしょう。
ブローディのバクシネーターの理論も同じ様なことを証明しています。
ヘッドギヤーを使用してはいけません。
このような中で、
成人矯正では小臼歯の4本抜歯は行ってはならないことなのです。
このような正しい考えの中で一般歯科開業医が矯正を行えば
審美だけでなく機能的にも必ず社会に奉仕し、貢献できることになります。
一般歯科開業医こそ、矯正に適した人であると、
大いなる自信を持っていただきたいと思います。」
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