小臼歯こそ大切#1△セファロ分析△★エピローグ★ | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
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小臼歯こそ大切#1△セファロ分析△★エピローグ★


小臼歯こそ大切#1△セファロ分析△★エピローグ★

いらない歯は一本もないというのが

歯科医の考える第一歩でなければならない。

歯は必要ないとばかりに小臼歯を4本も抜歯する方法

が正しいと思っているとしたら、とんでもない話になろう。

しかし、現実には

矯正の現場において行われている行為である。

私の経験から語ると、

技術的に未熟なうちは抜歯をしたがるということである。

そう生のある程度ひどいものは、

抜歯をしたら楽に前歯部の再配列ができる

と思えるからである。

そこにある考えは、歯が萠出したり、移動させる空隙がない

という視野でしか考えていない。

したがって、歯を抜けば十分な空隙が得られるから、

きれいに並べることができると思うのである。

このように直感的に思い込むことから、

早期抜歯だとか、連続抜歯という

とてもおかしな抜歯理論ができあがってしまった。

現実には早期抜歯だとか連続抜歯によって

それに続く臼歯の配列が改善されたかというとそうではない。

悪化してしまうのである。

ひどいそう生や歯間離開は

こういう行為によってなされていることが多い。

人工的な作為による

不正咬合や歯の捻転が生じるのである。

そのことは乳歯と永久歯の関係を見れば分かる

特に小臼歯は乳臼歯によって完全に

ガードされて守られている。

この親ともいえる乳臼歯を抜歯すれば

小臼歯はどうなるかということだ。

また、これほどまでに小臼歯が保護されている

ということは、小臼歯が非常に大切な歯であるからである。

この大切な小臼歯を前歯のために抜歯という暴拳

によって失って良いのであろうか。

大臼歯も大切であり、小臼歯も大切なのである。

人間の生活において本来の役目が終わっているのが犬歯なのである。

だから犬歯は一番後から萠出してくる。

ところがここでも間違いが生じている。

犬歯を咬合誘導の中心にすえて語られていることである。

今ではこの考えでは説明できないのであるが、日本ではまだ健在のようだ。

(つづく)

(DBAより)

DBAのまえがき(DBA主幹 阿部和弘先生の言葉)より
「このセファロ読本は一般開業医のためのものです。私は一般開業医こそ矯正に適した歯科医師であると考えています。全ての一般歯科開業医に矯正治療ができるようになっていただきたいと考えています。矯正治療を始めるにあたって、矯正にはセファロがどうしても必要なのだという考え方が蔓延している現状の中で、はたしてそうなのだろうかということです。分かりやすいセファロの本をと思っているのは、そのことをくつがえす必要があるからです。この「セファロ読本」は一般歯科開業医のための入門書として書き上げたつもりですが、完成してみると、これ以上詳しい内容の本は、現在ないことが分かりました。代表的なセファロの方法を全て載せてあるということも画期的なことです。このようにして、セファロ読本が出来上がり、再び読み返してみても、やはりセファロの重要性は感じることができません。
セファロは脇役であり、パノラマ以下の評価しかできないのです。
一般歯科開業医の人が矯正をするのにセファロがぜひとも必要とはとても思えません。
しかし、何故必要ないのかを知るためにも逆説的な言い方ですが、セファロのことを知っておくことも良いでしょう。無知と英知では英知が勝っています。知らないより、知っておくのがよいのです。使うか使わないかということは知っておいて初めて判断ができます。そういうことをまず理解していただきたいと思います。一般歯科開業医が矯正をするとき、ぜひとも必要なことは診断を正しくできるということです。診断の正しいことこそ大切なことです。
治療テクニックになりますが、顔の中心が美人の中心だということです。したがって、顔の中心と上顎の歯の中心との一致が必要なのです。上顎の正中線と下顎の正中線を合わせても、顔の中心に合っていないと、顔はゆがんでしまいます。 第一大臼歯をクラス1にすることも必要です。特に10歳までの子供の時に、必ずクラス1の咬合の形にすることです。そして、料金を明確にすることです。信頼こそ大切なことなのです。上顎と下顎の正中線を無理矢理に合わせることは、どうでもよい事です。このことは顔の中心に合わせることが大切で、上下顎の正中の一致はできればということぐらいのことで絶対という考えに立たないことです。
してはいけないことは小臼歯を4本抜歯することや、側方拡大による方法です。これはルンドストロームの1925年発表の歯槽基底論で解決済みのことです。それに逆行するテクニックではうまく行かないでしょう。ブローディのバクシネーターの理論も同じ様なことを証明しています。
ヘッドギヤーを使用してはいけません。このような中で、成人矯正では小臼歯の4本抜歯は行ってはならないことなのです。このような正しい考えの中で一般歯科開業医が矯正を行えば審美だけでなく機能的にも必ず社会に奉仕し、貢献できることになります。一般歯科開業医こそ、矯正に適した人であると、大いなる自信を持っていただきたいと思います。」