抜歯矯正を家族にできるかDBA「間違いだらけの抜歯矯正」より
本当の歯科医はGP開業医:医学は人の全身を扱う学問である。それを細分化し、器官ごとに大きく分けている。歯科という言葉の前に、本当なら口科とか、口腔科ということが正しいと考える。歯科というと、その中から歯だけを扱うということになってしまう。専門科目の中のより専門ということいなるであろう。これでは、歯だけを見ることになる。しかし、GP開業医は歯だけでなく、口腔粘膜から顎関節、そのうえ欠損補綴まで幅広い知識と治療を行なっている。これこそ、本当の歯科医である。ムシ歯だけ、ぺリオだけ、エンドだけということで歯も口腔内も成り立っているわけではない。口に関する総合知識を持って治療に当ることが出来なくてはならない。矯正専門という人は、総義歯一つ作れないのだ。
GPにできることが専門家か:歯科そのものが専門科目になっている。一口腔一単位ということも言われ、包括的治療も主張されている。このように、口腔内はバラバラの器官ではなく、互いに助け合って作用しているのである。矯正専門とは歯科の中の専門と言っているのだろうが、歯科自体で専門分野なのである。したがって、少なくとも歯科全般のことを治療できて、そかもその上に、より高度のことをするというのが専門というものだ。一般的な普通の歯科より上とは言えないだろう。しかも、4本以上抜歯するというのだが、それならGPにもできる矯正になる。歯を抜かなくても十分きれいにできる技術があるのならより高度なわけだ。歯を抜く矯正をするのはGPにでもできる。これが専門家と言えるのであろうか。
総義歯が作れなくて咬合理論?歯科の本質的なことは咬合だとか、咬合理論と言う。矯正も同じことである。咬み合わせを良くすると言う。しかし、矯正医の人で咬合理論が分かっている人が果たして何人いるのであろうか。尋ねてみたいものだ。総義歯も、ブリッジもできない人が、咬合理論を持っていたり、分かっているとは考えられない。仮に持っているとしたら、それは偏った幼稚な咬合理論であり、矯正界の無知さを表しているに過ぎないであろう。本当の咬合とか、咬合理論が分かっていたら、小臼歯4本抜歯などできるはずがない。小臼歯4本抜歯の必要性はなく、幼稚な技術を隠すための便法をしているに過ぎない。その犠牲者は国民なのだよ。
抜歯ができないのに抜歯矯正?矯正において診断はとても大切である。特に抜歯などと軽々しく診断してはいけないのだ。15歳までの子供においては成長中であり成長を促進させるテクニックを用いるべきなのである。その方法は確立されている。ところで矯正専門と称している人達は、自分で抜歯する技術を持っていない。自分で抜歯をすることができないのである。それなのに抜歯が必要と4本抜歯と診断する。15歳以下の子供において、すぐ抜歯と診断を下すということは大いに間違っている。特に12歳までなら歯は全く抜く必要はない。12歳以上でも、できるだけ骨成長をさせることだ。成長を促進させてみて、それでもそう生がとてもひどい時にのみ抜歯を検討することである。
抜歯矯正を家族にできるか:小臼歯4本抜歯する矯正専門医と称する人が、自分の家族に4本抜歯の矯正をしているだろうか。まず行っていないだろう。現実に私の矯正セミナーに参加した若い歯科医で、Ⅱ級の人がいた。親は矯正医をしているのだそうだと。ところが、親は出っ歯ぎみのⅡ級の状態でも、そのくらいの出っ歯は治さなくてよいと言ったというのである。現実に治していないから今でも出っ歯なのだが、小臼歯4本抜歯の矯正は自分の子には出来ないという一例である。これが現実であり、欺瞞なのであろう。これが矯正専門医への質問である。
(DBAより)DBA「間違いだらけの抜歯矯正」より
DBA故阿部和弘著「間違いだらけの抜歯矯正」より(一般臨床歯科医GP向けの文章ですのでご留意、ご注意ください。)この本のはじめに:この本は警告書である。総合矯正医より、単一矯正医への警告書である。総合矯正医だなんて、他のことができないのを逆手にとって、エリート然としているモノ矯正医に対してである。歯科そのものが専門職である。それが故に医科と分かれ、歯科医がいるわけである。医学の中が医科と歯科に分かれているということが、誰が見ても歯科が口腔内に特化した専門職ということでということである。専門職の中を細分化し、歯科から分離し、矯正専門医というのは甚だ不自然である。それというのも、矯正専門というの人は抜歯もできなければ、カリエスの処置も、ぺリオの処置もできない。ましてや補綴など全くできない。そういういびつな知識の者に咬合理論もないだろうし、咬合のことなど言う資格があるのだろうか。ないからこそ、平気で健全な小臼歯を4本も抜歯することを依頼できるのである。依頼を受けた歯科医は、「どうして、この程度で4本も抜歯するのだろうか」と、罪悪感にかられるという。しかし、依頼を受けたことと、抜歯をすればお金になるからと、共同正犯の如きことを行っている。正に、全て患者の方に立った発想ではない。お金儲けの発想と、今までの行為の惰性上の話でしかない。しかし、アメリカを見よ。この健全歯の4本抜歯によって何が起こったのかを。裁判の山である。歯科医側が負けることが続出している。特にGP諸君!抜歯が必要ないと思ったら抜歯に手を出してはいけない。そうしないと、君も共同正犯に加えられる恐れがある。少なくとも紹介状を持たせ、それに対し異議のないことの確認を証拠として残しておくことだ。抜歯した4本の歯は元に戻すことはできない。不可逆の行為なのであるから、それによって老人性の顔になったとか、咀嚼できなくなったとか、いろいろの体調の変化を言われたとき、どうしようにも手がないのである。そこで行われたことは人工的な手法で歯を動かしているのだし、動かすために歯を抜いたのである。ただ単に抜歯したということではない。人工的に意図的に大量の臼歯を抜歯し、前歯6本全てを隙間がなくなるまで動かしているという事実である。この事実を元に戻すことはできない。かつて、富士見病院事件というのがあった。必要もないのに、婦人から子宮を除去しまくったという事件であるこれをほぼ同じことが考えられるのはアメリカの医療訴訟から学ぶことができるわけである。GPの諸君、どうか必要ない抜歯に手を貸すことはやめてほしい。歯ならびの悪いことは病気である。したがって、正しい歯ならびにすることは大切な医療行為である。医療行為であるが故に尊いのである。しかし、患者側に不利益になる行為はできる限り避けなくてはならない。医聖、ヒポクラテスの言葉を今こそ学び、医の原点に戻るべきであろう。GPのために:この本はGPのために書いている。GPとは開業歯科医であり、独立し、開業している人であるから、歯科医のプロの中のプロといってよいであろう。大学にいる学生とか、卒業後に大学に残って間もない歯科医の卵とかとは違う。したがって、ここに書かれていることが本当かどうかはすぐに分かることだ。一般大衆を相手に、金儲けのことだけを考えている本とは違う。したがって、プロの人にプロとして、本当のことを伝え、そして歯科界の向上になればという思いなのである。都合の悪い人は、反論したり無視するだろう。それでもよいと思う。正しいことを正しく伝えることが正義であると私は考えている。長いものには巻かれろという考えはいけない。また自然科学の中には、そんなものはあり得ない。無知か、性根が悪いのかどちらかになろう。どちらもよくない。歯科の発展のため、国民の利益のため、日本の将来のためにも、正しいことを正しく伝えてゆかなくてはなるまい。ましてや、歯科界のためにもである。そういうことで、読者層をGPに置いている。一般大衆を相手にした暴露本とは違うことをまずお断りしておきたい。したがって、問題点は鋭く切り込んでいくけれども、これが必ず役に立つことと考えている。また、同じようなことが二度三度出てくるが、それは問題が大きいところであり、しっかりと認識していただきたいことだからである。(DBAより)DBA「間違いだらけの抜歯矯正」より
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