その子の幸せのために(DBA「間違いだらけの床矯正」より) | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
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その子の幸せのために(DBA「間違いだらけの床矯正」より)


その子の幸せのために(DBA「間違いだらけの床矯正」より)機能的な障害のある場合は早めに手を打つことが必要である。それもできるだけ時間をかけずに機能回復をすることである。

例えばムシ歯である。これを放置しておいて治るわけではない。したがって修復するわけであるが、充填かインレーにすることである。決して乳歯冠はしてはならない。乳歯冠をするのなら、アンレー方式でよいから鋳造法ですることである。現在の接着セメントは大変よくなっているから、乳歯の場合、はずれることはほとんどない。一番恐ろしいのは乳歯冠による早期接触の咬合性外傷である。これを避けるためにも鋳造法か充填法でやっていただかなくてはならない。

乳歯の時の抜歯は最悪である乳歯冠のときは、咬合性外傷によって、その下にある永久歯の歯胚を圧迫し、萠出時に異常をきたすことになるからこのこともすべきでない。しかし、咬合することは咬合するわけだが、抜歯をすれば咬合するところがなくなる。乳歯も一歯対二歯の咬合関係にあるから、全てで5本の歯に関連してくる。乳歯列は崩れるし、咬合はできなくなるということになる。6歳までは脳の質を高めることと体積の増加の時であるのに、十分に栄養が行かないことになる。このようなことは、その子の幸せにならない。乳歯だけを見るから、永久歯との生え変わりのための一時的なものと軽く見てしまう。しかし、脳の形成からというと一番大切なときに、栄養面とか会話面で問題があると、これは一生の問題として、ここで大きなハンデをつけられることになる。歯は抜いてはいけないのである。

また、奥歯を拡げるとか、顎を拡げるといってエキスパンジョンスクリューを用いる。これもすれ違い咬合になり、咬めなくなるのである。抜歯と同じく、咬めなければ問題が生じる。それ以上に悪いのは顎の変形を生じる危険性と集中力が欠如することである。3つの中でも、一番良くないのが、奥歯を拡げるというやり方である。しかも、上顎を拡げるだけなら問題が生じる。強い力を加えるのならより問題である。上下両方拡げるといっても、下顎と上顎とは骨の構成も構造も違う。したがって、全く同じスピードでということは不可能だ。この方法は取るべきではない。

それもこれも子供のためにはならないからである。(DBA「間違いだらけの床矯正」より)

(DBA「間違いだらけの床矯正」より)

DBA主幹の阿部先生も、私、北澤も東京医科歯科大学歯学部卒である。