ルンドストローム理論・歯槽基底論・前歯部と臼歯部の分離
ルンドストローム理論:1925年にスウェーデンのルンドストロームが一つの理論を発表した。それは歯根の先を結んだ線を歯槽骨と基底骨の境として、歯槽骨と基底骨に分けたのである。そして、歯槽骨に植わっているのが歯であり、歯に矯正力を加えても基底骨には関係がないとする歯槽骨と基底骨の分離論である。この着目は正しい面があり、すぐに歯科界に受け入れられ、現在に至っている。ルンドストロームの歯槽基底論として有名なのである。このことは、顎骨の構造を横から見ると分かることである。歯は顎骨と3分の1から2分の1ぐらいのところにあり、基底骨はかなり厚さを持っているということだ。それと皮質骨と海綿骨の違いからみても分かるとおり、歯そのものが直接的に皮質骨を変化させることはできない。
歯槽基底論:図を見ていただくとよい。歯と下顎下縁までの距離とその間にある骨の厚さである。歯冠そのものも歯根の2分の1ぐらいであるし、顎の中に立っている棒として考えてみるとよく分かる。棒の先を押しても歯根部が動くだけで、顎全体にはほとんど問題はないであろう。
前歯部と臼歯部の分離:前歯部と臼歯部は犬歯のところで分離されている。このことは98%以上の遺伝子が共通していると言われるサルやゴリラを見てみると、よりよく分かる。ゴリラの歯列は完全に前歯部と臼歯部とが犬歯のところで分離されているのである。歯列も前歯は円形であり、臼歯部は直線である。犬歯は独立している。このような形の中で見ると、前歯の役目と臼歯の役目は違うのである。したがって、臼歯部を拡大ネジで拡大したところで、前歯にはほとんど何の関係もないことになる。逆に臼歯部は自然にうまく咬み合っていたものをボロボロにされただけになる。良くないであろう。
(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
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