付録2追加『アジア諸国と戦争せず戦争を煽動する愚かな考えにだまされずアジア人どうし戦わず平和に交渉し大人の態度で本気で対等でものおじせず交渉することだ』
『「誰がまた騙(だま)されて戦争なんかやらされてたまるか」が一番大事である。』
★新装版 「小室直樹の学問と思想 単行本(ソフトカバー)」のご紹介★
「・・・これからアメリカが衰退するのに乗じて、日本はできる限り自立、独立すべきだ。それには、アジア諸国と戦争せず、戦争を煽動する愚かな考えに騙(だま)されず、アジア人どうし戦わず、平和に交渉し、大人の態度で、本気で対等で、ものおじせず交渉することだ。なにごとにも騙されない、操(あやつ)られない、洗脳されない、そういう国民の自覚、自立が大切である。・・・」
「小室直樹(1932-2010年、77歳で死)先生は東京大学の構内で長年にわたり「自主ゼミ」という形式の勉強会を主宰し、そこから多くの俊英が育っていった。その世話役が橋爪大三郎先生だったそうだ。副島先生も小室ゼミで学問の基礎を学んだ。この2人が小室直樹の学問、百学の基礎にある方法論について語り合った、小室学の入門編とな一冊になっている。 下に、はじめに、目次、あとがき(2011年版)を貼り付けます。是非手に取ってお読みください。
(貼り付けはじめ)
はじめに 副島隆彦 何ということだろう。西暦2022年の今、世界史にプーチンが率いる「ロシア帝国の大復活」が起きつつある。
一体全体、何たることか。小室直樹先生の業績『ソビエト帝国の崩壊』(1980年刊)から42年。ロシアが大国になって戻って来て、ロシア帝国となって甦(よみがえ)りつつある。何と言う歴史の皮肉だろう。滅んだはずのソビエト赤色(せきしょく)帝国が、ロシア連邦(フェデレーション)の形で、仰々しく世界勝利者として復権しつつある。逆に、アメリカ帝国と西側(ザ・ウエスト)同盟(NATO[ネイト―]とEU[イーユー])のほうが、ウクライナ戦争で 緒戦(しょせん)の優位が消えて、たじたじとなり、敗勢が濃くなって来た(今年7月)。
こんなご時勢で、『小室直樹の学問と思想』の再(さい)復刊(初版1992年刊)に私は立ち合うことになった。丁度30年が経たった。私自身が、もう老人になって(古希[こき]、70歳)、自分の脳がスリ切れそうだ。知識人などという無残な商売は、わずか30年の時代の変化に耐えられない。私は己(おの)れに向かって冷笑する。
日本の小室直樹と共にソビエトの崩壊を予言したことで知られる(1976年。邦訳『最後の転落 ソ連崩壊のシナリオ』)フランス知識人のイマニュエル・トッド(1951年生。71歳)が、再び時の人である。トッドは、「ウクライナ戦争の原因と責任は何よりもアメリカとNATOにある」とはっきりと書いた(『第三次世界大戦はもう始まっている』文春新書、2022年6月刊)。何故なら、プーチンがあれほどに、「これ以上NATOの東方拡大(イースターン・エクスパンジョン)をするな。ロシアは絶対に許さない」と何十度も警告を発しウクライナ国境線で軍事演習を行って威圧した。それなのに、西側は故意にプーチンの堪忍袋の緒を切らせた。アメリカとNATO(真実は英と米のディープステイト)は、手ぐすねを引いてロシアを打ちのめし、弱体化(ウィークン)できると思って戦争を仕掛けた。
ところが西側(ザ・ウエスト)のほうが開戦から4カ月経ったら、〝ゼレンスキー支援疲れ〟でボロボロになった。ロシアの味方に付いた中国とインドとサウジアラビアとブラジル、メキシコ、インドネシアなどの新興国・資源貧乏大国の同盟(新世界[エマージング]G8と言う)のほうが大きく勝ち始めた。さらには、ロシアの核兵器のほうが進んでいて超音速(ハイパーソニック)で迎撃(インターセプト)できないので、西側(ザ・ウエスト)は脅し上げられる破目になった。ざまあ見ろである。
小室直樹先生は、この本が出た時(1992年)言った。
「今こそ、マルクスを勉強し直さなければ。次に滅ぶのは、アメリカ資本主義である」とはっきり私に言った。さすがに大(だい)天才はちがう。そして先生は東ベルリンで刊行されていたドイツ語原書のマルクス・エンゲルス全集を購入して、デーンと書斎に置いた。まさしくアメリカ帝国と西側資本主義が、私たちの目の前で滅び始めている。
あれから40年の歳月(さいげつ)が経ち、私はあきれかえって茫然(ぼうぜん)として立ちすくむ。思想と学問の研究に人生を入れあげたといっても、何事(なにごと)のことがあろう。この程度のことであったか。
だがそれでも、本書『小室直樹の学問と思想』は、読者に検証されて世界史の荒波の中に屹立(きつりつ)する岩礁(がんしょう)のようでありたい。
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新装版 小室直樹の学問と思想──目次はじめに 副島隆彦 1
まえがき 新装・増補版に寄せて橋爪大三郎 3
対談 橋爪大三郎・副島隆彦「小室直樹が我々に残した思想と意志」 8
〈復刻〉 現代の預言者 小室直樹の学問と思想 ソ連崩壊はかく導かれた …… 29
復刻(旧版)目次 …… 30
あとがき 新装・増補版に寄せて副島隆彦 265
おわりに 橋爪大三郎 269
小室直樹 略年譜・主要文献 271
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あとがき 新装・増補版に寄せて副島隆彦
今から二八年まえの一九八三年一月二六日。ロッキード事件裁判の検察官による元首相・田中角栄に対する論告求刑(ろんこくきゅうけい)があった。その日のテレビ番組で小室直樹先生が「検察官たちを送電線に逆さ吊りにしろ」と発言し、翌朝の番組では羽交い絞めにされて画面から消えた。私はその番組をたまたま見ていた。このあと、小室直樹先生の「小室ゼミ」のドアを叩いた。小室ゼミの実質の筆頭が橋爪大三郎氏だった。このとき、私は二九歳で小室先生は五〇歳だった。そのとき、田中角栄は六四歳、小沢一郎氏は四〇歳である。
日本の国にとって、田中角栄という偉大な国民政治家が、どれほど重要であるかを、小室直樹という学者が一所懸命に日本国民に説明した。小室は言った。「ロッキード事件が作ってしまった新たな規範とは何か。それは行政権力と司法権力の野合である。こうなったら、もうデモクラシーは、ほかに何があってもたちまち、頓死(とんし)するのである」と。田中角栄が切り拓いた日本国の戦後の成長経済の道は大変すばらしかった。そして私は小室直樹先生から多くを学んだ。
角栄が検察庁と法務省、裁判所を使ったアメリカによる弾圧を受けてから三四年後の今、今度は、小沢一郎がまったく同じ仕掛けで検察庁から違法な攻撃を受けている。二〇〇人もの若い政治家を育てた小沢一郎というすばらしい政治家を、アメリカべったりの日本の保守勢力が、今もいじめている。田中角栄の遺伝子を正しく受け継いでいる小沢一郎という優れた国民政治家を、行政官僚、司法官僚たちが押さえつけようとしている。目下(もっか)の闘いは、お金の問題、すなわち財務官僚たちとの闘いではない。
政治 Justice[ジャスティス]の力を政治的に悪用して、国民から選挙では選ばれていない司法・準司法の官僚がなぜ日本国の最高権力となり得るのか。国民から選挙で選ばれた代表である議員(政治家)たちがまったく力を持てない国にされてしまっている。ロッキード事件(一九七六年から)の時とまったく同じように、再びアメリカの力で、小沢一郎へ強制起訴などという非道なことを行っている。今こそ私たちは、日本の官僚体制を破壊しなければならない。
私はデモクラシーを「民主主義」などと訳さない。「民主政治」と書く。デモクラシー demos-cracy(デモス-クラシィ)とは、代議制民主体制のことである。
デモス demos- とはピープル、すなわち国民、一般大衆のことだ。クラシィ -cracy とは「体制、制度」のことである。大衆、国民が選挙で選んだ代表たちに本当の力、権力を持たせよということだ。国民に選ばれた代表たち、つまりリーダーたち権力(パウア)を持つということである。日本には本当のデモクラシーが未(いま)だない。官僚(ビューロクラット)たちが実質的に簒奪[さんだつ](盗み取っていること)している。
小室直樹先生は本物の、日本では珍しい本当の天才でした。しかし、先生の優れた能力、知能、学問、思想を日本国が認めなかった。本当ならば小室先生を東京大学の学長にするべきだった。そうしたら、一〇〇人では済まない、一〇〇〇人のソシアル・サイエンティスト、すなわち近代学問(モダン・サイエンス)の学者たちが育っていただろう。小室直樹の才能をないがしろにして、不遇のままにした日本という国はまことに卑小で矮小(わいしょう)な国である。小室直樹が味わった悲運を払拭していく努力を私たちはこれからしていく。
小室直樹先生の霊が現れたとしたら、何を私に望むであろうか。
私たちが小室先生の学統を継いでいく。この私たちもあと一〇年、二〇年で死んでゆく。若い人たちにトーチを、火を繋いでいかなければならない。私には小室ゼミの一〇年間分ぐらいの資料しかない。橋爪さんは、もっと大量にたくさんの資料をお持ちである。その資料を使って、小室先生が話したことを復活させるべく、橋爪さんが小室先生の学問を話して映像で残す講義録をこれから作ってゆきたい。
小室先生が望んだのは、思考に系統性を持つ世界基準(ワールド・ヴァリューズ)の知識である。立体的に造形的に思考することであり、世界と渡り合える知識人を育てることだった。これからアメリカが衰退するのに乗じて、日本はできる限り自立、独立すべきだ。それには、アジア諸国と戦争せず、戦争を煽動する愚かな考えに騙(だま)されず、アジア人どうし戦わず、平和に交渉し、大人の態度で、本気で対等で、ものおじせず交渉することだ。なにごとにも騙されない、操(あやつ)られない、洗脳されない、そういう国民の自覚、自立が大切である。
残された私たちは日本の若い人たちに、何を繋いでいくか。小室先生は小室ゼミで、無料(ただ)でお金を一円も取らずに、私たちに教えてくださった。そのご恩に報いるために、私はインターネットを駆使して世界標準での知識・思想を学びたいという若い人間たちを「副島隆彦の学問道場」で育てている。小室直樹先生の御霊(みたま)に対して私が捧げることができるのは、このささやかな努力である。
本書が、小室直樹の学問を学び継ぐ上での、さらに若い世代にとっての入門書になってほしい。
二〇一一年三月 副島隆彦(貼り付け終わり)
(終わり)」
『(「反共右翼」とはハッキリ切り分けて)日本の保守勢力を、何とか、元の健全で、穏健(おんけん)で、温厚な保守の、金持ち、経営者たちに、戻したい』~~~キーパーソン・キーワードの列挙~~~
NHK・立花孝志・黒川敦彦・政治女子48とかの女たち・憲法改正派・立憲民主党・泉健太・国民民主党・玉木雄一郎・統一教会(の臭い)・日本維新の会(党)・笹川財団・反共右翼・「笹川一族は朝鮮系韓国人だ」・「・・・私、副島隆彦の真意は、統一教会(反共右翼。今も自民党の安倍派の勢力・安倍派・清和会)に、相当に搦(から)め取られている、日本の保守勢力を、何とか、元の健全で、穏健(おんけん)で、温厚な保守の、金持ち、経営者たちに、戻したい。反共右翼と、温厚で素朴な愛国保守の人たちの 間に、ガシッと楔(くさび)を打ち込んで、メリメリと、切り分けて、日本の健全な保守勢力を、再興しなければいけいない。」・・・ガーシー・西村ひろゆき・世耕弘成・平井卓也・高市早苗・自民党ネトサポクラブ・参議院議院議員から除名追放・アテンダー・石川五右衛門・鼠小僧次郎吉・義賊・博徒国定忠治・海老沢勝二・田中角栄・(「重たい掲示板」[3540])http://www.snsi.jp/bbs/page/1/」2023/4/27追加付録
20230731追加2
「誰がまた騙(だま)されて戦争なんかやらされてたまるか」が一番大事である。
「(有料サイトより)「2074」私の金融本『米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた』に収められなかった第5章を特別に公開する(第1回・全3回) 2023年7月31日今回から、これを入れてしまうと長くなり過ぎてしまうために、『米銀行破綻の連鎖から世界大恐慌の道筋が見えた』に収められなかった第5章を特別に公開します。今回は第1回目です。第5章 日本と世界で起きている本当の政治
●愚か極まりない人類はやはり限定(げんてい)核戦争をやるだろう
人類(人間)という生き物は、愚か極まりない側面を持つ。だからどうしても核戦争で1億人ぐらいの人間(9100万人といわれている。後述する)が、ヨーロッパ、ロシア、そして中国、アメリカとの間で、核兵器の撃(う)ち合(あ)いが起きて、たくさんの人間が死ぬということが当然、予測される。私は冷酷に考えて、この9100万人が合計で死ぬとシミュレーション(simulation、模擬[もぎ]演習)されている全面核戦争すなわち、第3次世界大戦が将来起こると思う。世界人口は最近80億人を突破した(2022年11月15日)。そのうちの1億人が死んで、数億人が悲惨なことになる。それは人類という生物が辿(たど)らなければ済まない大きな運命である。私はこのように冷酷に、冷酷に考えて、未来の予測を立てる。
そしておそらく、日本はこの核戦争に巻き込まれなくて済むと思う。なぜならば、すでに前から78年前の1945年8月に広島と長崎に2回、原爆が落とされて、悲惨な目に遭っているからだ。
日本(人)は他の国よりも先に核爆弾を浴びた国民だ。だから生き延びることができる。何事(なにごと)も人より早く経験した人が訓練を積む。ちなみに広島では16万人の人が原爆で死んだ(その年、昭和20年の年末までに死んだ人を数える)。長崎は山がたくさんあるので、8万人の死者であった。今、日本には各地に米軍の基地がある。米軍の海軍基地もあって、横須賀と佐世保から自由にアメリカの原子力潜水艦が出入りしている。ここにポラリス型のSLBM(エスエルビーエム)(潜水艦発射型の弾道ミサイル)という核兵器が積まれている。日本政府への連絡などしない。米軍の軍人と軍属(ぐんぞく)(出入りの業者とか)は、横田(よこた)基地から、日本国に無断で出入り自由である。日本は、国家主権(しゅけん)(sovereignty ソブリーンティと言う)の有る国ではない。日本はアメリカ合衆国への従属国である。即ち属国(ぞっこく)(a tributary state ア・トリビュータリー・ステイト。朝貢国[ちょうこうこく])である。
この先ロシアとアメリカが核兵器(nuclear weapon ニュークレア・ウェポン)を撃ち合うということになったら、30分以内に、横須賀港と佐世保港から、米原潜が緊急脱出する。そして公海(オープン・シー)上で、浅く海に潜った状態で、そこからロシアに向かって核兵器を発射するという形になっている。なぜなら、港を出て海の下に急いで潜らないと、米各原潜は、自分自身がロシアの軍事(ミリタリー)スパイ衛星(サテライト)から偵察されているから、停泊している静止船を狙われて危ないからだ。
現在の世界最高水準の軍事技術では、核戦争で一番有力で使い手があるのは、このSLBM(潜水艦発射型の弾道ミサイル)である。沖縄の嘉手納の米空軍基地(エアフォースベース)からの戦略爆撃機(B52)から投下する核兵器は二の次(セカンダリン)である。
日本国民と日本政府としては、日本は、世界大戦には参加したくない。だからどちらの側にも付きたくない。だから米軍の核兵器も日本から撤去して、さっさと出て行ってください、とアメリカに言うべきなのだ。
こういう当たり前の、当たり前の議論を、日本国民は出来ないのである。現在の日米安保条約(The US Japan Security Treaty [ザ・ユーエス・ジャパン・セキュリティ・トリ―ティ])にも、アメリカ政府は日本に核兵器を置くことができる、という契約になっていない。どうやら、安保条約にくっついている秘密の協定で、米軍が核兵器を日本国内に持ち込んで置いてあっても日本政府は、それに文句を言わないということになっている。
このことは、1971年の沖縄返還交渉の時に、佐藤栄作(さとうえいさく、1901-1975年、74歳で死)首相(在任:1964-1972年)とニクソン(Richard Milhous Nixon、1913-1994年、81歳で死)大統領(在任:1969-1974年)及びキッシンジャー(Henry Alfred Kissinger、1923年-、100歳)首席補佐官が交わした秘密協定で、「双方が納得した」形になっている。この秘密は若泉敬(わかいずみけい、1930-1996年、66歳で死)氏が書いた『他策(たさく)ナカリシヲ信ゼムト欲(ほっ)ス』(1994年文藝春秋刊)の中にはっきりと書かれている。この若泉敬氏が佐藤栄作首相の密使(みっし)として動いて出来たものだ、と本人が書いている。
[ウォルト・ロストウ、若泉敬、リンドン・ジョンソン]沖縄の嘉手納基地のB52のこの大型の真っ黒い戦略爆撃機は、私たちが乗る大型ジェット旅客機と大体同じ大きさだ。この戦略爆撃機(strategic bomber ストラテジック・バマー)に搭載している核爆弾と共に、緊急時に大急ぎで離陸させて、空から敵の国に向かわせることになる。そのために24時間態勢で常に飛んでいるという説もある。それは敵のレーダーにひっかかる、かつこの動きはロシアの軍事スパイ衛星に丸見えだから、この核搭載爆撃機は、おそらくロシアや中国の迎撃ミサイルによって、撃ち落とされる可能性が高い。
それなのになぜ、沖縄の嘉手納に核戦略機編隊が今もいるのかは私には分からない。おそらく敵国の上空まで、あるいはその近くまで飛んで、そこから核兵器を正確に落とすという考え方がまだ生きているからだろう。核ミサイル(宇宙ロケットと同じ)による攻撃だけでは足りない、と考えるかららしい。これ以上のことは、世界中の軍事の専門家にも分からないようだ。何事もやってみなければ、分からないということであって、核兵器1つにしても、広島、長崎以外では実際に実戦で使ったことがないのだから。本当は、何がどうなるか、分からないということだろう。いくら軍事技術が進んでも、人間の予測(エクスペクテイション)の範囲を超えたことは起きる。
それで私の考えでは、日本は大きな観点からは戦争をしたくない国として、日本国憲法の第9条がある。この有名な第9条には「戦争放棄。軍隊の不保持。交戦権(こうせんけん)の否定」まで、ガッチリと明確に書いてある。この第9条を差し入れたのは、ダグラス・マッカーサー(Douglas MacArthur、1880-1964年、84歳で死)大将(4つ星将軍[フォー・スター・ジェネラル]。元師[ファイブ・スター]で大将はない)本人だった。日本は戦争のできない国と最高法規で決められた。ここに現在に至る。戦争をしたがらない国としての日本国の有利性がある。このことを世界に向かって、日本国はもっと堂々と言うべきなのである。だから、今の憲法を改正させないで、守り続けることが日本人にとって、ものすごく大事なことである。簡単に言って、「誰がまた騙(だま)されて戦争なんかやらされてたまるか」である。
ここで、大事なことは、以下に載せたとおり、核戦争のシミュレーションの図である。もともとはスウェーデンのストックホルムの平和研究所(真実は核戦争研究所)が、40年前から発表していた核戦争の予想シミュレーションの模擬演習の図と呼ばれるものだ。現在は、米プリンストン大学のアレックス・グレイザー(Alex Glazer)という教授が専門家としてその権利を承継して発表していることになっている。元々のストックホルム平和研究所のものは、マデレイン・オルブライト(Madeleine Korbel Albright、1937―2022年、84歳で死)が作ったものだ。オルブライト女史は、好戦家(gingoist[ジンゴウイスト]あるいはWar monger[ウォー・モンガー])でWar General(ウォー・ジェネラル)戦争将軍「本当に戦争をする時のための将軍」と呼ばれた。オルブライトは、1990年代のビル・クリントン政権の国務長官(ステイト・セクレタリー)を務めた。ヒラリー・クリントンたち〝鬼のような女たち〟を育てたディープステイトthe Deep Stateの重鎮だった。現在までのところ私たち日本人が手に入る核戦争の近(きん)未来予想図は、これしかない。無いものは無い。他には無い。【核戦争のシミュレーションの図】 だったら、この 「核戦争のシミュレーションの図」 を日本人は大事にして、これを大前提にして、いろいろなことを考えて議論すべきなのだ。核戦争の恐怖が迫って来て、大(おお)金持ちや大(だい)資産家ほど脅えている。普通の庶民や貧乏な人たちは、あんまり怖がらない。なぜなら、お金もないし、預金封鎖(よきんふうさ)になっても恐くない。自分たちの命もそんなに特別に他の人より高い、と思わない。
そもそも3000万円以上の預貯金を持っていない人が国民の8割以上だから、大恐慌や核戦争(第3次世界大戦)になっても、あまり実感が湧かない。だから怖くない。それに対してお金持ちや資産家ほど、自分の命とお金が大事だ。だから人によっては近い将来の戦争や、大恐慌や、大(だい)自然災害(大都市に直下型[ちょっか]で来る大[だい]地震)が怖くてしかたがない。ここで、また私は変なことを書く。いわゆる地震の揺れを示す震度は8台までしかない、と学問的にもされている。そんなことはない。9と10がある。有るに決まっている。それを地震の専門家たちが世界的にヒタ隠しにしているのである。 大戦争への対策として、ハッキリと分かることがある。核戦争のシミュレーションの図をじっと見ていたらだれでも分かる。それは地球の南半球である、アフリカと南米と、それからアジア諸国には核兵器は全く落ちて来ない。後進国地帯(リージョン)だから相手にされていない。このことがよく分かる。だから、金融資産が10億円以上の資産家は、イザというときのために、東南アジア諸国に、高層住宅(タワー・レジデンス、1戸、1室)を持っていることが大事だ。イザというときになって、急に外国に逃げ出したとしても、何週間も外国の高級ホテルに泊まり続けることはできない。数百万円では済まない。 そのときのために予(あらかじ)め外国に自分のための1部屋を買って持っていればいい。自分と家族だけでなく、親戚、友人までも何とか避難させることができる。金(きん)をはじめ、貴金属も持ち出して、そこに安全に保管できる。このことについては、私の弟子である根尾知史(ねおともし)君が最近、出版した『大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!』という本がある。これにタイやマレーシア、その他の国々に、資金を逃がすやり方が細かく具体的に書いてある。
【大恐慌と戦争に備えて 個人資産の半分を外国に逃がす準備を!】 ただし、香港とシンガポールは、もうすでに高層高級住宅(タワー・レジデンス)は、100平米(30坪)で3億、5億円する。だから、普通の日本人の小金持ちでは無理だ。日本はデフレ(不景気)が1990年代から30年も続いてすっかり貧乏国になったから、とてもではないが、外国に移り住むことができる人々は、大企業の経営者一族か地方の素封家(そほうか)と呼ばれる十何(じゅうなん)代も続いているような大金持ち層だけに限られる。 別に、わざわざ外国に逃げなくても、何があってもこの島国にいて、自分の家で死ぬ、と考える大半の日本人が愚か、ということではない。日本人の優れた諦観(ていかん)の境地(きょうち)というものがある。日本人すべてが、あまり口には出さないが、腹の底から分かっていることがある。それは「日本は、島国(島嶼[とうしょ]人 islanders[アイランダース])で良かったぁー。外国が攻めてくるといっても、海があって大変だからなあ」という考えである。私は、これで十分だと思う。だから、あんまりくよくよしないで、先のことで悩み苦しまないで、ゆったりとした気持ちで目の前の、自分に出来ることをすればいい。ただし、預金封鎖(bank account cramp down バンク・アカウント・クランプダウン)と、それと同時に、新札切り替えによるリデノミネーション(redenomination)は起きる。その対策を今のうちからきちんと立てておくべきだ。そのために私がこの国にいた。私、副島隆彦が、もう25年間もこの件でたくさん金融本を書いてきたのだ。
●日本は実は米国債を裏で売っている
首相の岸田は5月19日からのG7のサミットを、自分の地元の広島でやった。その根回しのために楽しそうに自分で、エベントevent屋となって、欧米に御用聞きをして回っていた。5月19日からG7の首脳たちに加えて、ウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelenskyy、1978年-、45歳)大統領までやって来た(21日)。バイデン(Joe Biden、1942年-、80歳)とゼレンスキーは、日本にお金をせびりに来たのだ。私の考えでは、岸田、バイデンに10兆円(800億ドル)を渡した、だろう。だから5月20日に、円ドルの為替相場が、急に、ピョーンと1ドル=138円になった。それまでの135円から一気に3円も円安(ドル高)になった。日本政府が、アメリカへの貢(みつ)ぎ金(がね)を10兆円も一気に払った。日本の円資金を、為替市場で、売ってドルに替えた(ドル転[てん]と言う)からだ。そしてこれをワシントンのアメリカ財務省の口座に送金した。これぐらいの巨額の資金が動ないと為替が3円、4円も動くことはない。専門家たちは薄々(うすうす)知っている。だが、誰もこの大きな真実を口(くち)にする者はいない。口にしたら殺されるのだ。日本は台湾、韓国と全く同じ扱いでアメリカの属国そのものだ。バイデンが、なぜ、日本にずっと機嫌が悪かったかというと岸田が、今度の5月のG7では、前述した日銀黒田と日本財務省が、保有する米国債を売っては、日本にその資金を持ち帰って日本国債をガンガン買い増していたからである。中国と韓国は今も米国債を売り続けている。昨年12月に、日本政府(財務省)は17兆円分(1500億ドル)の米国債を売った。そして、1月にも3日間で、17兆円米国債を売った。そうすると米国債(即ちドルの信用)が暴落する(長期金利は上昇する)。その分を誰かが引き受けて下支えをする必要がある。どうやら裏側の取引で、日本政府がまたその分を買い戻しているようだ。三重帳簿、四重帳簿は当たり前、というのが、国家のやることだ。大企業であっても海外に裏帳簿がある。国内の本社の勘定とは別にしてある。民間企業がそれをやって、それが発覚したら経営陣は背任罪で逮捕される。ところが国家というのは、おもしろい組織で、法律を越えているからイザとなったら何でもやる。これを英語で、above the lar(アヴァブ・ザ・ラー 法律より上)と言う。法律を超えている権力(パウア)という意味だ。日本語で分かりやすく言うと「雲の上(の人々)」と言う。そうすると最後のツケは大恐慌か、戦争になる。ここで、そろばん(算盤)で言う「ご破算(これが、英語で、デフォールト。初期[しょき]設定だ)に願いましては」となる。国家そのものが破産して、やり直しとなる。それが財政崩壊とか、敗戦(戦争に負けること)である。このとき、国民がたくさん死ぬ。戦争で何百万人か死ぬ。このときお札が紙切れになって、新しいお札でやり直しだ。だから実物資産(タンジブル・アセット)を大切にしなさい。金(きん)にすがりつきなさい。金(きん)にしがみつきなさい、と私はずっと書いてきた。国家や政府なんか絶対に信用するな。信じる者は騙される、だ。(つづく)copyright(c) 2000-2009 SNSI (Soejima National Strategy Institute) All Rights Reserved.」
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