2024年6月に開かれた医学系の学術集会で、参加者同士のトラブルがあったとネット上で話題になった。m3.com医師会員に学会で参加者同士の口論やトラブルについて聞いたところ、29.0%が「見たことがある」、6.7%が「自身が経験ある」と回答した。「教授同士が殴り合いのけんかをしていた」「会場の外へ引きずり出されていた」などの目撃談が数多く寄せられた。一方、「それぞれの信念があるので口論になるのは当然」という指摘があり、むしろフロアから質問が出ないことを問題視する声も上がった。
Q学会の会場で、参加者同士の口論・トラブルを見たことはありますか。(n=1854)
Q学会発表やその後の質疑応答で、ほかの参加者と口論・トラブルになった経験はありますか。(n=1854)
大御所同士で口論、エキサイトして座長すっぽかし
・教授同士が殴り合いのケンカをしているところに遭遇したことがあります。【開業医】
・癌の専門家と間質性肺炎の専門家が抗がん剤に伴う間質性肺炎の検出方法についてケンカとなり「あんたは黙っておれ」ぐらい言っていた。それぞれ大御所だったので他の人は何も言えなかった。メーカーでの研究会での話です。【勤務医】
・質問というより、決めつけて難詰されたことがあり、反論はしたが気分は悪かった。【勤務医】
・他のセッションで次の座長の先生が演者だったのですが口論になってエキサイトしたのか座長をすっぽかしました。仕方ないので前の座長の先生が引き続き座長を務められました。【勤務医】
・演題発表していた演者の前まで登って行った男性が大きな声で喚き散らしていた。大勢の参加者がじっと見ていた。学会関係者がすぐに集まってその男性を会場から外へ引きずり出した。【勤務医】
・質問者が「私はこの学会の会員番号が1桁で、学会創設時から携わってきました」と不要な前置きがあってから質問があり、座長が「テクニカルな話は後にします」と言ったらキレてしまいました。どうやら質問者は座長と同門の大先輩であったためなおさら高圧的な態度をとったようでした。老害としか言いようがありませんでした。学会発表者が主役であって、質問者が自分をアピールするのは絶対にいけません。【勤務医】
「負けるもんかと歯を食いしばり…」「褒める質問をすべきと反省」
・初めての学会発表で病理組織の見解がわかれ、指導医と病理医は私の味方、某大学皮膚科教授がガンガン責めてきてきた。最終的に教授の顔を立てつつ、私の発表内容でOKとなりました。泣きそうになりつつ、負けるもんかと歯を食いしばったのですが、嫌な思い出です。【開業医】
・複数都道府県の地方会が合同で行う地域の学会は、新人医師が野球大会に参加して、大学間の交流を図る場でもありました。ある程度の中堅医師となり、その懇親会に参加した時、他大学の若手の先生に、〇〇学会での先生の質問はきつかったですと、少し絡まれたことがありました。自分としては、ほとんど記憶にない出来事でしたが、自分も若い時は少しとんがっていたので、そうしたきつい質問の仕方(ダメ出し)をしただろうことが、容易に想像され、若手の先生の発表時にはもっと建設的な、褒める質問をすべきだと反省した次第です。【勤務医】
「トラブルくらいあって当然」「フロアから質問出ない方が…」
・自分たちの情熱をかけてやっている仕事なので国会答弁程度の口論やトラブルくらいはあっても当然と思う。【勤務医】
・それぞれの信念があるので、口論になるのは当然です。ない方がおかしい。若いときは、「その件に関しましては、共同演者の○○が、お答えいたします。」と逃げる方法があると教わったことがある。【勤務医】
・昔の学会では侃々諤々の討論が結構あった気がする。その大抵は後半に口論になって座長が打ち切るってパタンだった気が…。逆に言うと「ふーん、そうなの」とかフロアから質問が出なくて終わる最近の発表は聞いていても面白くないし、学会はお遊戯会ではないはず。ちなみに自分の発表にフロアから質問がなければ(=食いつきが悪い)勝手に負けた気がする。【勤務医】
【調査概要】
・調査期間:2024年6月17日~23日
・対象:m3.com医師会員
・回答者数:計1854人(開業医 : 396人 / 勤務医 : 1458人)
学会で口論になったことある?