優れた分析記事を二つ提示します・・・「石破茂氏、議員票呼び込み逆転」 | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
新潟県柏崎市で矯正歯科・小児歯科・歯科ならきたざわ歯科です。

予約制📞0120-008-418
携帯電話からは☎0257-22-6231

9:00-12:00 / 14:00-18:00
(土曜日は17:00まで)

休診日 水・木(往診等致します)・日

優れた分析記事を二つ提示します・・・「石破茂氏、議員票呼び込み逆転」


https://toyokeizai.net/articles/-/830556

泉 宏 : 政治ジャーナリスト2024/09/30 9:55

石破茂氏(写真:© 2024 Bloomberg Finance LP)

大乱戦となった自民党総裁選は、石破茂元幹事長(67)の“大逆転勝利”で幕を閉じた。10月1日召集の臨時国会冒頭で首相指名を受け、同夜、石破新政権が発足する。石破氏は総裁選5度目の挑戦での悲願達成。“3強”として同氏と激しく競り合った高市早苗経済安保相(63)は決選投票での予想外の敗北に顔を強張らせ、国民的人気で当初本命視された小泉進次郎元環境相(43)は涙目で虚空をにらむなど、3氏の明暗もくっきり分かれた。

自民党総裁選史上でも、「決選投票も含め、投票箱を開けるまで分からない」(自民長老)という激戦は「ほとんど例がない」(党事務局)とされる。「派閥解消により個別議員への締め付けが緩んだことが背景にある」(政治ジャーナリスト)とみられているが、最終局面では派閥を維持する麻生派だけでなく、旧岸田派をはじめすべての旧派閥が“暗闘”を繰り広げ、「派閥政治の根深さを露呈」(同)したのは否定しようがない。

そこで注目されたのが、首相経験者を中心とする“影の実力者”たちの「キングメーカー争い」。なかでも、麻生氏が高市氏、菅義偉前首相が小泉氏、岸田首相が石破氏をそれぞれ支援して水面下で虚々実々の駆け引きを展開したとされるが、「最終的には岸田氏が完勝、菅氏が痛み分け、麻生氏が完敗」という結末に。

石破新総裁誕生後、壇上に並んだ3氏は満面の笑みの岸田氏に対し、菅氏は平静を装ったが、麻生氏は苦虫をかみつぶしたような表情で新総裁への拍手も形だけで、3氏の確執の激しさも浮き彫りとなった。

人事の骨格は「森山幹事長・林官房長官・菅副総裁」

今回総裁選での「5度目の正直」に、眼鏡の奥の感涙をそっと拭った石破氏にとって、最初の関門となったのが党・内閣人事だ。「これまでのような派閥順送り人事に堕すれば国民的不興を買う一方、脱派閥での一本釣りばかりでは、党内に不満が鬱積しかねない」(閣僚経験者)。

もちろん、高市、小泉両氏だけでなく、総裁選で戦った8氏の処遇で、石破氏のトップリーダーとしての手腕が問われることも避けられず、「岸田首相からの“宿題”ともなる『ドリームチーム』の実現は容易ではない」(同)との声が相次いだ。

 

❷「2024年09月28日

2024年自民党総裁選挙:一夜明けて考えたこと

古村治彦です。

2024年9月27日に実施された自民党総裁選挙の結果は驚きを持って迎えられた。それは、勝ち目が薄いと思われていた石破茂議員が勝利したからだ。1回目の投票の結果で、石破氏が強いと思われていた党員票で、1票差とは言え、高市早苗議員に負けて、議員票は元々強くないので、「党員票で圧倒できなかったとなると、石破氏の勝ち目はほぼなくなった」と考えた人が多いと思う。決選投票での石破氏の逆転勝利は、1956年の自民党総裁選挙、石橋湛山が岸信介を決選投票で、7票差で破り逆転勝利を収めたことを思い起こさせる。

昨日、私は決選投票後に、「これまでと違って、どの勢力がどの候補に入れたのかという投票の分析が難しいな」と感じていた。今日になってX(旧ツイッター)上で以下の新聞記事が紹介されている。重要なのは、X上に表示された以下の図である。

「●石破茂氏、議員票呼び込み逆転 3人の「首相」の暗躍」(日本経済新聞、2024年9月28日付)

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA26CIB0W4A920C2000000/?n_cid=SNSTW005

この図では、菅義偉、麻生太郎の2人の元首相と、岸田文雄首相、それぞれに近い総裁選挙候補者たちを支持した票が決選投票でどのように動いたか、この3人がどのような動きをしたのかを示している。菅義偉元首相は小泉進次郎議員を全面的に支援していたが、小泉議員は3位に沈んだ。党員票では1位を獲得しながら、党員票で、高市、石破両氏に大差をつけられての3位に沈むという結果になってしまった。小泉氏の議論の弱さ、更に言えば、頭脳明晰さに欠ける発言や行動が自民党の党員・党友に見透かされてしまったということだった。菅氏は決選投票で石破議員に乗る決断を下した。小泉敗退のショックを和らげることに成功した。岸田首相は態度をはっきりさせていなかったが、極右・ネトウヨの高市議員には乗れなかっただろう。また、麻生太郎元首相に岸田派に手を突っ込まれ、上川陽子議員を擁立されてしまったことへの怒りもあっただろう。上川議員は当て馬であり、捨て駒だった。上川陽子待望論などは麻生元首相が作り出した、ただの幻でしかなかった。

問題は麻生太郎元首相だ。麻生元首相は土壇場で、自派の後継者と見られてきた河野太郎議員を見捨てて、高市議員支援を配下の議員たちに指示した。その結果が、高市議員の1回目の投票での1位獲得、河野議員の大惨敗であった。しかし、麻生氏は最後の最後で敗北を喫することになった。石破氏の地方での強さを見誤ったということになるだろう。」

2024ldppresidentialelectionpartymembersvoteresults001

2024ldppresidentialelectionpartymembersvotebyprefectures001

決選投票になれば、党員票は都道府県連票として、各都道府県1票となる。各都道府県単位で見れば、石破氏は過半数の24で勝利を収めていた。更に2つの件で2位を確保し、決選投票になれば26票を獲得できることは決まっていた。高市氏は18票、2位を確保した県は3であった。1回目の党員票では、獲得した票を368票に比例分配する形になる。高市氏は人口の多い大都市部で勝利を収め、石破氏は地方部で勝利を収めた。決選投票では各都道府県1票となる。人口が多い東京都や大阪府でも1票、人口が少ない鳥取県や島根県でも1票となる。決選投票の方式が石破氏に有利に働いたことは間違いない。
2024ldppresidentialelectionprefectualvotes001

来年までには行われる総選挙での顔ということを考えると、高市氏は右に寄り過ぎて、中道のやや右の有権者を獲得することはできない。そこにアピールするのは石破氏だという計算を議員たちが行っただろう。そして、同じ有権者層を狙うとしている立憲民主党の野田佳彦代表との戦いでは、石破氏の方が有利であり、潜在的な立憲支持者たちも取り込むことができると考えただろう。立憲は厳しい戦いを強いられることになるだろう。

 自民党は保守本流、地方を基盤とする政党に回帰することを選んだ。保守傍流の安部政治を清算し、少しは変化を見せるだろう。このような土俵際での選択ができるところが自民党の強さである。そして、自民党は見えない民意を汲み取る力を持っているということになるだろう。

(終わり)」