石破総理が所信表明で石橋湛山のことばを引用しました。
私の投稿（10/26【853】石破を応援します。小沢の変節には疑念）でも、石破総理と石橋湛山の関連を記していたため、「わが意を得たり」という気持ちです。

湛山は最近の大学生たちにも尊敬する人物として知られているようなので、その真っ当な考え方が、今後日本人にますます広まることを期待しています。

参考に11/29のkhb東日本放送の記事を転載します。

（転載開始）

“石破カラー”石橋湛山の演説を引用　石破総理が所信表明

石破総理大臣は衆議院本会議で所信表明演説を行い、戦後、日本独自の外交を切り開こうとした石橋湛山内閣の言葉を引用するなど石破カラーをにじませました。

石破総理大臣 「日米安保体制は、我が国の外交安全保障政策の基軸であります。しかし、同時に合衆国も在日米軍施設・区域の存在から戦略上、大きな利益を得ています」

石破総理はアメリカのトランプ次期大統領と「率直に議論を交わし、両国の国益を相乗的に高め合う」と決意を示しました。

また、沖縄県などの基地負担軽減に取り組むとしたうえで「在日米軍の駐留に伴う諸問題の解決にも取り組む」として、持論である日米地位協定の改定への意欲もにじませました。

演説の冒頭と結びでは石破総理が生まれた1957年2月4日当日の石橋湛山総理大臣による施政方針演説を引用し、少数与党として野党とも真摯に政策協議を行う姿勢を強調しました。

総理周辺によりますと、石橋内閣は65日という短期政権だったため「縁起が悪い」との指摘もありましたが、「石橋湛山全集をすべて持っているなど思い入れが強い」ということです。

また去年、「石橋湛山研究会」が超党派で発足し、共同代表を国民民主党の古川代表代行らが務めていて、官邸幹部は「国民民主党への秋波の一つだ」と話しています。

さらに、経済対策では「103万円の壁」についても「2025年度税制改正で議論し、引き上げる」とし、「ガソリン減税」も「見直しに向けて検討し、結論を得る」と踏み込んでいます。

（転載終了）

また、11/29の日経新聞の記事も転載します。

（転載開始）

石破首相の所信表明演説　「短命」石橋湛山に込めた思い

石破茂首相が29日に読み上げた所信表明演説のハイライトは冒頭と結びにある。1957年2月4日にあった石橋湛山内閣の施政方針演説の言葉を引いた。この日は石破氏が生まれた日でもある。

首相は「湛山ファン」として知られる。自民党総裁選前の8月に出版した自著「保守政治家」でも言及した。湛山が日本の拡張主義を批判して唱えた「小日本主義」を取り上げ「一方が得して一方が損する外交は長続きしない」と記した。

湛山は戦前、ジャーナリストとして軍部による言論統制にあらがい、非戦や平和の道を説いた。56年末に党総裁に就くと派閥解消や政官の綱紀粛正を訴えた。

首相が湛山と自身を重ねていることは想像に難くない。10月の衆院選で自民、公明両党は過半数を失った。派閥による政治資金問題がその要因だ。首相は政治改革を政権の優先課題と位置づける。

湛山は病で首相を退いた。65日の在任期間は現行憲法下で羽田孜氏に次いで2番目に短い。短命内閣を想起させるからか、歴代の首相演説のなかで湛山の言を引用した例は見あたらない。

それでも首相が引用したのは、批判されても正しいと考えることを国民に示した湛山の手法が共感を呼ぶとの読みがあるからだ。湛山の没後50年に合わせて昨年発足した超党派の勉強会には首相も参加する。立憲民主党や国民民主党などの議員も名を連ねる。

今国会は24年度補正予算案や政治資金規正法の改正が主なテーマとなる。首相は臨時国会での成立をめざす。いずれも与野党間でどう合意形成をしていくかが課題となる。

首相は重要政策として①外交・安全保障②日本の活力の回復③治安・防災――を掲げた。各論でこそ差異はあろうが、各党とも重視する論点であることに違いはない。

過去30年経験したことがない少数与党による国会論戦が週明けから始まる。熟議を尽くして結果を出す――。そういう場づくりをこの臨時国会からどう整えるか。首相に課された最大の仕事である。

（黒沼晋）

（転載終了）