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オンライン資格確認訴訟、 医師・歯科医師ら900人超、 最高裁に上告へ 喜田村弁護士「高裁判決は判例に明確に違反、国会を不当に軽視」


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オンライン資格確認訴訟、

医師・歯科医師ら900人超、

最高裁に上告へ

喜田村弁護士「高裁判決は判例に明確に違反、国会を不当に軽視」

レポート 2026年9月16日 (水)配信橋本佳子(m3.com編集長)
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 オンライン資格確認訴訟で、9月16日の東京高裁判決を不服とした900人を超す医師・歯科医師が、最高裁に上告もしくは上告受理申し立てを行うことが明らかになった。

弁護団長を務める喜田村洋一弁護士は判決後の記者会見で、「今日の高裁判決は最高裁判決に明確に違反している」「憲法の定める国権の最高機関であり、民主主義の中心である国会の役割を不当に軽視する判決だ」と語気を強めた(判決は、『オンライン資格確認訴訟、東京高裁でも医師ら原告の請求棄却』を参照)。

 

東京高裁判決後、記者会見する弁護団と原告代表。

 喜田村弁護士は、過去の最高裁判例において、法律が厚労省令等に委任できるのは「授権の趣旨が明確に読み取れなければいけない」とされていることを説明した。原告は一審および控訴審でこの点を主張してきたにもかかわらず、「東京高裁判決は、我々の主張に向き合っていない」と批判した。

また、高裁判決が「(本件は最高裁判例が判示したものとは)いずれも事案を異にするものというほかない」とした点については、「事案が違うのは当たり前だ」と切り捨てた。その上で、「国権の最高機関である国会が定めるものを逸脱し、厚生労働大臣や厚労官僚が、法律を度外視して勝手に規定外のことまで作っていいのか」と問題提起した。

会見後の記者・原告説明会でも、喜田村弁護士は「事実関係が異なる中で、法律の抽象的な議論として何が残るかを最高裁が検討し、それが判例として残っている。にもかかわらず、『突然事実問題に落として、事実が違うから最高裁判決は適用できない』というのが今回の判決だ」と指摘。「最高裁へもっていき、原判決(東京高裁判決)を破棄することが、(東京高裁への)有効なフィードバックになるだろう。それに向けて頑張りたい」と決意を新たにした。

記者会見での4人の代理人弁護士の発言骨子は以下の通り。

弁護団長の喜田村洋一氏

喜田村洋一弁護士:この問題は、何を争っているかというところから考えると分かりやすい。国会が定める健康保険法という法律があり、その下に厚生労働大臣が定める「療担規則」などの規則がある。本件は、この規則が健康保険法に違反していないか、つまり法律の委任の範囲内に収まっているかどうかということが争点だ。この点について我々は、法律から規則へ委任する趣旨が「明確に読み取れる」ものでなければならないと主張して争ってきた。細かい主張については後ほど説明してもらうが、これは我々が言っているだけでなく、これまでの最高裁判決が何度も示してきた重要な基準(メルクマール)である。

しかし、今日の高裁判決(判決文の22~23ページ等)は、この「明確に読み取れるかどうか」という最も大事な基準に真正面から取り組もうとしなかった。我々が引用した最高裁判決に対して「今回の事案とは違う」として判断を避け、「健康保険法からこういうことが読み取れる」として国を勝たせたりしている。事案が違うのは当たり前であり、一番の問題は「明確に読み取れるかどうか」であるにもかかわらず、その点について判断しないまま国を勝たせてしまっている。

視点を変えて言えば、今回の問題は、国権の最高機関である国会が定めたものを逸脱し、厚生労働大臣や厚生官僚などが、法律が予定していない範囲まで勝手に規則を作ってよいのか、ということだ。高裁がこれを認めたということは、国会議員の知らないところで官僚が法律の趣旨を度外視して規則を作ることを容認したことになる。これは、憲法が定める民主主義の中心である国会の役割を不当に軽視するもの。このように、今日の高裁判決はこれまでの最高裁判決に明確に違反しているため、我々は上告、あるいは上告受理申し立てを行う。

二関辰郎弁護士:(上告に向けて)既に900人を超える委任状が集まっている。本日判決を受け取ったばかりであり、詳細な分析はこれから行う段階だが、判決の理由部分は分量が少なく非常に薄っぺらい。内容の第一印象としても、乱暴な論理や、国会を軽視していると思われる箇所が散見される。本件で問われているのは「民主主義下における、立法機関による行政の統制」という問題である。本来、国民の代表である国会が法律によって義務を定めるべきところを、国会を通さず官僚の規則だけで定めてしまってよいのか、ということが問われている。我々はこの問題を裁判所に提起したが、残念ながら一審も二審も国の主張をそのまま認めてしまった。司法が果たしてそれを簡単に許してしまってよいのか、という危惧を抱かざるを得ない状況にある。民主主義にとって非常に重要な裁判であり、引き続き準備を進めていく。

牧田潤一朗弁護士:我々が一番重視してきたのは、「法律の文言」だ。今日の高裁判決では、法律上(健康保険法上)の「療養の給付」という言葉に何が含まれるかが中心的な議論となった。本来、この言葉は医療サービスのみを指している。しかし高裁は、ここに「保険給付に必要な金銭の管理」も含まれると拡大的に解釈し、その全体が規則に委任されていると判断した。これは、法律の文言に対する甘い解釈である。このような法解釈が許されれば、あらゆる分野に悪影響を及ぼしかねない。憲法が定める「国会が決めた法律に従って行政が動く」という統治のあり方を、裁判所自らが緩めてしまっていることになる。我々としては看過できず、最高裁できっちりと是正していただきたい。

小野高広弁護士:高裁判決における健康保険法の解釈には、大きな問題がある。我々と裁判所の認識が大きく食い違っているのは、健康保険法63条1項に定める「療養の給付」が、「医療サービスのみに限られるのか、それともその他の事務も含むのか」という点だ。健康保険法の仕組み上、ここには明らかに医療サービスしか挙げられていないはずである。しかし裁判所は、「当裁判所に顕著な事実」や「社会通念上」といった非常に主観的な理由に終始して認定を行っている。しかも、それ以外の判断においてもこの認定を繰り返し引用して論理を展開しており、判決の出発点として非常に重大な誤りがあると言わざるを得ない。法律の解釈として本当にこれでよいのかという問題がある。本件は法令解釈に関する極めて重要な事項を含んでいるため、我々としては最高裁に審理してもらわなければいけない。

判決後、原告に向けて開いた説明会。

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