△セファロ分析△ブロードベントは歯軸の変化論 | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
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△セファロ分析△ブロードベントは歯軸の変化論


△セファロ分析△ブロードベントは歯軸の変化論

よく分かっていない人がいるのがブロードベントの歯軸論である。

ブロードベント先生が示した7歳児の上顎永久歯前歯の萠出方向であるとか、

ブロード先生が示した10歳平均時の上顎永久歯の萠出方向であるなどと、

雑誌の上で得意満面に述べている。

ブロードベントの言っているのは萠出方向ではなく、

萠出過程における歯軸の傾きの変化のことを言っているのである。

何も分からないで歯軸を書き入れ、ブロード先生と有名人の名前を使用し、

よく分からない若い先生をミスリードしている。

このようなミスリードにより、迷惑するのが患者様である。

放置しておいても治るものを矯正する必要はないが、

治らないケースも治ると主張されては、はなはだ迷惑な話なのである。

より悪化して矯正するより、早く治せるうちに治しておくのが当然の方法なのである。

この図のように原典を読むでもなく、

知った振りをする誤った者は迷惑な話なのである。

そのことは本物のブロードベントの図を見ればよく分かることだ。

6歳5ヵ月では側切歯の歯軸が交叉していないのであるが、

次第に交叉してくるという説明なのである。

萠出の変化である

正中離開はレントゲンを見ない観察でも分かるのであり、

見えない歯軸の変化を犬歯と側切歯においてトレースされたものなのである。

ブロードベントの研究は

「正常児顔面の研究」というテーマであることを忘れてはいけない。

正中離開をブロードベントは正常と考えているわけではない。

あくまで正常児というものの人類学上の成長の研究がテーマなのである。

萠出変化の研究ではなく、歯軸変化の研究ということなのである。

 

(DBAより)

DBAのまえがき(DBA主幹 阿部和弘先生の言葉)より

「このセファロ読本は一般開業医のためのものです。私は一般開業医こそ矯正に適した歯科医師であると考えています。全ての一般歯科開業医に矯正治療ができるようになっていただきたいと考えています。矯正治療を始めるにあたって、矯正にはセファロがどうしても必要なのだという考え方が蔓延している現状の中で、はたしてそうなのだろうかということです。分かりやすいセファロの本をと思っているのは、そのことをくつがえす必要があるからです。この「セファロ読本」は一般歯科開業医のための入門書として書き上げたつもりですが、完成してみると、これ以上詳しい内容の本は、現在ないことが分かりました。代表的なセファロの方法を全て載せてあるということも画期的なことです。このようにして、セファロ読本が出来上がり、再び読み返してみても、やはりセファロの重要性は感じることができません。

セファロは脇役であり、パノラマ以下の評価しかできないのです。

一般歯科開業医の人が矯正をするのにセファロがぜひとも必要とはとても思えません。

しかし、何故必要ないのかを知るためにも逆説的な言い方ですが、セファロのことを知っておくことも良いでしょう。無知と英知では英知が勝っています。知らないより、知っておくのがよいのです。使うか使わないかということは知っておいて初めて判断ができます。そういうことをまず理解していただきたいと思います。一般歯科開業医が矯正をするとき、ぜひとも必要なことは診断を正しくできるということです。診断の正しいことこそ大切なことです。

治療テクニックになりますが、顔の中心が美人の中心だということです。したがって、顔の中心と上顎の歯の中心との一致が必要なのです。上顎の正中線と下顎の正中線を合わせても、顔の中心に合っていないと、顔はゆがんでしまいます。 第一大臼歯をクラス1にすることも必要です。

特に10歳までの子供の時に、必ずクラス1の咬合の形にすることです。そして、料金を明確にすることです。信頼こそ大切なことなのです。

上顎と下顎の正中線を無理矢理に合わせることは、どうでもよい事です。このことは顔の中心に合わせることが大切で、上下顎の正中の一致はできればということぐらいのことで絶対という考えに立たないことです。

してはいけないことは小臼歯を4本抜歯することや、側方拡大による方法です。これはルンドストロームの1925年発表の歯槽基底論で解決済みのことです。それに逆行するテクニックではうまく行かないでしょう。ブローディのバクシネーターの理論も同じ様なことを証明しています。

ヘッドギヤーを使用してはいけません。このような中で、成人矯正では小臼歯の4本抜歯は行ってはならないことなのです。このような正しい考えの中で一般歯科開業医が矯正を行えば審美だけでなく機能的にも必ず社会に奉仕し、貢献できることになります。一般歯科開業医こそ、矯正に適した人であると、大いなる自信を持っていただきたいと思います。」