小臼歯こそ大切(つづき)#2△セファロ分析△★エピローグ★
小臼歯こそ大切(つづき)#2△セファロ分析△★エピローグ★
犬歯が咬合誘導の中心にないことは、矯正をすれば明らかである。
それは、反対咬合や上顎前突の人のことをどう説明するのであろうか。
また、そう生においても犬歯が上位部にあり何の役にも立ってない症例も多い。
このように、犬歯は全く咬合に関係していなくても、
すばらしい成績をあげているスポーツ選手は多い。
アントニオ猪木にしても、完全な受け口であるし、
イチローにしても、メッツに入団した松井にしても前歯部はおかしい。
それでもすごいパワーを出し、大活躍している。
これは小臼歯を含めた臼歯部がいかに大切であるかという証である。
前歯部は発音と見た目ということであり、これはアーチの形の問題になる。
このように、臨床的に見えて考えてゆくことによって、
小臼歯の大切さを認識するべきである。小臼歯の保存こそ歯科医の任務である。
この総合的な問題を解決できるのはGPであると思う。
GPこそ、国民の歯の健康を守る第一適任者なのだから、
大いに頑張ってゆくべきである。歯を抜歯してはいけない。
小臼歯こそ大切であり、乳歯こそ大切であるという認識のもとに、
国民のために役立つ歯科医療の確立が大切なのである。
矯正と抜歯ということを考えるとき、抜歯を行なうことを良しとせず、
やむを得ない場合のときのみと限定する必要があろう。
いとも簡単に抜歯をするという誤った考えは捨て去る時に来ているのである。
(DBAより)
DBAのまえがき(DBA主幹 阿部和弘先生の言葉)より
「このセファロ読本は一般開業医のためのものです。私は一般開業医こそ矯正に適した歯科医師であると考えています。全ての一般歯科開業医に矯正治療ができるようになっていただきたいと考えています。矯正治療を始めるにあたって、矯正にはセファロがどうしても必要なのだという考え方が蔓延している現状の中で、はたしてそうなのだろうかということです。分かりやすいセファロの本をと思っているのは、そのことをくつがえす必要があるからです。この「セファロ読本」は一般歯科開業医のための入門書として書き上げたつもりですが、完成してみると、これ以上詳しい内容の本は、現在ないことが分かりました。代表的なセファロの方法を全て載せてあるということも画期的なことです。このようにして、セファロ読本が出来上がり、再び読み返してみても、やはりセファロの重要性は感じることができません。
セファロは脇役であり、パノラマ以下の評価しかできないのです。
一般歯科開業医の人が矯正をするのにセファロがぜひとも必要とはとても思えません。
しかし、何故必要ないのかを知るためにも逆説的な言い方ですが、セファロのことを知っておくことも良いでしょう。無知と英知では英知が勝っています。知らないより、知っておくのがよいのです。使うか使わないかということは知っておいて初めて判断ができます。そういうことをまず理解していただきたいと思います。一般歯科開業医が矯正をするとき、ぜひとも必要なことは診断を正しくできるということです。診断の正しいことこそ大切なことです。
治療テクニックになりますが、顔の中心が美人の中心だということです。したがって、顔の中心と上顎の歯の中心との一致が必要なのです。上顎の正中線と下顎の正中線を合わせても、顔の中心に合っていないと、顔はゆがんでしまいます。 第一大臼歯をクラス1にすることも必要です。特に10歳までの子供の時に、必ずクラス1の咬合の形にすることです。そして、料金を明確にすることです。信頼こそ大切なことなのです。上顎と下顎の正中線を無理矢理に合わせることは、どうでもよい事です。このことは顔の中心に合わせることが大切で、上下顎の正中の一致はできればということぐらいのことで絶対という考えに立たないことです。
してはいけないことは小臼歯を4本抜歯することや、側方拡大による方法です。これはルンドストロームの1925年発表の歯槽基底論で解決済みのことです。それに逆行するテクニックではうまく行かないでしょう。ブローディのバクシネーターの理論も同じ様なことを証明しています。
ヘッドギヤーを使用してはいけません。このような中で、成人矯正では小臼歯の4本抜歯は行ってはならないことなのです。このような正しい考えの中で一般歯科開業医が矯正を行えば審美だけでなく機能的にも必ず社会に奉仕し、貢献できることになります。一般歯科開業医こそ、矯正に適した人であると、大いなる自信を持っていただきたいと思います。」
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