あとがき:親愛なる開業医の方へDBA「間違いだらけの抜歯矯正」より | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
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あとがき:親愛なる開業医の方へDBA「間違いだらけの抜歯矯正」より


あとがき:親愛なる開業医の方へ:(DBA主幹の一般開業医に向けた言葉です)この書をGPへのメッセージとしたいと思う。GPとは一般開業医のことを言うことになっているが、一般開業医とは総合歯科開業医である。病院においても総合病院と単科病院とクリニックがある。ここには序列がある。総合病院が一番上でクリニックが一番下のランクになっている。歯科においても総合的診断ができ、総合的な治療ができるところが上位である。したがって、専門医というのは総合的に何もできないところということだ。特にこのひずみが大きいのが歯科であって、GPこそ歯科でなくてはならない。ところが、最近の不況と、歯科医の増加など多くのマイナス要因の中で、とんでもない方法がとられ続けているのを見るにつけ、まともな歯科医なら嘆くことになろう。世の中の変化ということに気づくことは大変大切なことであるが、それさえされていない歯科医が多い。取り返しのつかないことをしたならば、医療訴訟が大きな口を開けて待っていることを忘れてはならない。現実にアメリカでは1980年代から、そのことが加速し、補綴におけるナソロジー矯正における4本抜歯の矯正が裁判で負けることが続発したのである。このため補綴のナソロジーはエビデンスがないこととなって、今や裁判を抱えた者のみの集団となっている。矯正においても、4本抜歯は急速に影をひそめ、ベッグ法にいたっては過去のものとなってしまった。4本抜歯という抜歯矯正に代わり、ストレートワイヤー法が主体になっている。(きたざわ歯科(かみあわせ研究所)では当然ストレートワイヤー法でやっています。ご安心ください。世界基準で標準的な手法です。特殊な治療法ではありません。念のため。)非抜歯矯正が主流である。しかるに日本はどうか。大学病院の歯科でも抜歯矯正を行っている。開業している矯正医の殆どは抜歯矯正である。このことを知らないと国民は、行くとこ行くとこ抜歯の必要性を言われるから、抜歯しないと治せないと思ってしまう。抜歯にしても、非抜歯にしても、全てということは臨床ではあり得ない。このことは医科の方を見れば分かると思う。手術において傷の全く残らない手術はないし、大きな手術において、手術しない元気な人以上に健康になることもない。病気を治すというのは、前より改善することと共に機能を回復することである。美容整形は現在は認知されているけれども、思っていたのより1ミリ違うなんていうことは取り上げるようなことではない。大幅に改善していれば、それでよしとするのである。歯科はこの医療の医学の本質が分かっていない人が多い。完璧にと思ったりしてしまうのだ。それも全くナンセンスなことなのにである。それは雑誌の記事や大学教育にも問題がある。大学病院で完璧なことなどできていないし、多くの歯科医をかかえたところほど、問題のあるところが多い。それは技術的なことや、勉強の程度など個人差が大きい上に、新人では何も分からないことだからだ。私なら、多くの歯科医を羅列した広告を出している矯正クリニックには行かない。安い労働力で、新人を集めているだけの話だから、怖くて自分の歯など任せるわけにはゆかない。まして、4本抜歯の矯正なんて取り返しのつかないことなど恐ろしすぎる。歯科医なら、自分の問題として考えてみればよい。多少の歯のデコボコに対し、4本抜歯して矯正したいと思う歯科医がいるのであろうか。まず、殆ど90%以上の歯科医はやらないと拒否するであろう。自分の子供に少し出っ歯気味だからと、4本抜歯の矯正をするか。まずしないであろう。出っ歯と言っても、いつも歯の先が唇より出ているようなとき以外は、抜歯なんて自分の子供なら考えない。これは当然のことだ。歯を失うことが、一生の間にどういう口になっているか、いろいろ見てきているからである。人の歯は一生もつことになっているし、そのように作られている。ところが、歯を失うことから、全ての崩壊が始まるのである。バランスを保つために20年の歳月をかけて歯ならびや顔の筋肉の姿はつくられていくのである。顔は身体の他の部分とは大きく違うのである。首から上にある顔の筋肉は、腕や足の筋肉とは少し異なる。40歳からは自分の顔に責任を持てといわれるけれども、顔というものは知性が出てくる。顔の筋肉は知性によってのみしか、鍛えることはできないのである。手や足など首から下の筋肉は肉体労働といわれるように汗を流すことによって、太く強靭になる。ところが顔はどうか。いくら汗をかいても、顔の筋肉を鍛えることはできない。そこは脳の領域であり、知恵によってのみ良い顔になって行くのである。どちらかと言えば心理的な面が表に出てくるのが顔である。良い人生を送ればよい顔になってくるし、そうでなければ悪い顔になる。その点で、学力とか学習能力というものがいかに大切なのかということが分かるだろう。脳のために何が良いのかということに到達する。それはコンプレックスのないことであり、自信を持つことである。「こんなものだ」という神経質でない生き方をすることである。細かいことに拘り出すときりがない。この世の完全とか、完璧というものが存在しない以上、どこでこんなものだと考えるかというレベルのことなのだ。大学の合否の判定も80点以上は優なのである。このことは大学に進学した人なら知っているわけである。80点以上は優であり、70点から80点が良であり60点以上は可となる。60点以下のみ不合格なのだ。このように、ぜったい100点でないといけないことなどと要求しても、それはいろいろな条件の中で無理なことなのである。一定の基準は必要である。したがって、臨床においてはすべて優を目指すべきだが、全てのケースで100点を要求されてもそれは無理だということなのである。しかも、美容上のこととなると、美的センスは個人によって異なる。絵画というアーチストの世界においても、まるで美的センスや美的基準が異なる。したがって、ルノアールの絵とピカソの絵との違いはそれぞれ言い分があるということになる。しかし、互いに油絵であり、日本画とは材料が違う。矯正においてもこれと同じだ。材料の違いによる好き嫌いははっきりしている。しかし、日本画の絵の具で油絵は描けないし、その逆も同じである。このように、入口が全く違うものを、どちらにしても100点満足させよといっても無理な話なのである。専門をプロフェッショナルという。プロフェッショナルとは「宣言」するということなのだ。したがって、入口論になる。専門家とは、これしかできませんよと宣言したことになるわけだが、その中に2通りの方法があるなら、その中でどちらをするか宣言することが専門家なのである。したがって、矯正のとき抜歯を主とする矯正と歯を抜かないことを基本とする非抜歯の矯正があるわけだから、そのことを宣言することが専門家なのである。患者側は歯を抜きたいか、歯を抜きたくないかを選択して治療を開始することである。最後になって、治った状態で細かいことをいろいろ言い出す患者がいるのも事実だ。しかし、物事に100%ということはないのであり、メリットとデメリットの中で80点以上の優の成績であることが実践されているならば、患者側の言うことがおかしいと言えるだろう。こういう人をクレーマーと言うが、クレーマーの増加も確かなことなのである。クレーマーはどんなことでもクレームをつけるであろうと思う。その時によく言う言葉が、聞いてなかったという言葉である。聞いていなかったというのは忘れたかもしれないのであり、聞いていなかったということを患者側が証明しなくてはならない。ましてや、そんなことを言うのなら、全てを録音しなくてはなるまい。その程度の信頼関係では、医療ということはできないのである。ともかく、最悪のことは裁判になることである。そして裁判に負けることだ。こういうクレーマーは必ず裁判とか弁護士に相談するとか、そういう類の言葉を口に出す。こういう言葉を出せば、歯科側は折れて金になると思っているのだろう。弁護士も仕事なので、お金を請求する。弁護士の相談料も少し本格的な相談なら10万円もかかる。30分ぐらいで1万円だ。しかも勝ち目がないと思ったら弁護を受けないし、手付金として30万円とか50万円を要求する。これでは100万円以下の矯正では受ける弁護士もいないだろうし、胡散臭い顔して30分1万円の相談で切り上げることになる。これは、患者には被害を与えていない場合のクレーマーの話だ。一方、アメリカの裁判で被害を与えているのは、抜歯を行うなど取り返しのつかない過剰診療の場合である。4本も抜歯をするという基準がないのである。人の顔の変化など予測できるものではない。4本抜歯をしたらどういう顔になるかなんて、顔の表情まで予測はできない。歯の数を減らして良くするということは元々無理なことを受けあっているのである。美容の医学は顔そのもののバランスを良くし、美人にすることである。その基準は大きく、高く、若く、スリムになどということになっている。特に顔においては、目は大きく、鼻は高く、形を整えて、歯は大きく、白く、顎は発達しているという派手にすることなのだ。その逆の歯を少なくするという抜歯は、そのことから間違った方向に行っていることになる。しかも、確実に機能面では劣化する。よく噛めない、隙間が全てのところにできるということになる。このため、奥歯から前歯に補綴物をはめたり、ひどい時にはインプラントをしたりしている。こういう抜歯をするからであり、元に復元することが出来ない上に、健全な歯まで抜歯したとすると裁判に負けることになる。したがって、裁判に負けないためには基準となる歯に手をつけず残しておくことである。歯を抜けば、咀嚼や隙間や歯根の吸収やぺリオなどいろいろの問題が生じてくる。しかも小臼歯の抜歯によって顎関節症の出てくる危険性も高い。アメリカにおいても、顎関節症の問題は小臼歯4本を抜歯する矯正医のところで生じているということは明白なのである。GPが顎関節症を矯正でつくることは少ない。それは歯を抜かないからである。しかし、現在の床装置拡大による方法は裁判で負けるであろう。このことは混合歯列期の矯正のところで述べることにしたいと思う。阿部和弘DBAより)DBA「間違いだらけの抜歯矯正」より 次々回からは「間違いだらけの床矯正法」が始まります。乞うご期待。