歯ならびと顔の輪郭は別(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
歯ならびと顔の輪郭は別(DBA「間違いだらけの床矯正」より):歯ならびと顔立ちとは別である。顔立ちのことを顔の輪郭といってもよいだろう。顔立ちは親に遺伝するものである。このことは解剖学的に見るとよく分かる。1925年にルンドストロームにより、歯槽骨と基底骨の骨の話が出てくる。歯根は歯槽骨と共にあり、生まれたときからある顎の骨とは違うものであることを歯槽基底論として発表した。生まれたときからの顎骨のことを基底骨といった。顎骨本体といってよいだろう。歯槽骨は歯と共に運命を共にする骨である。そこで歯根の部分より上を歯槽骨と考え、それより下の部分を基底骨とした。したがって2次元的に押した矯正力は歯槽骨と基底骨の境のところで動くだけであって、基底骨は関係が無いとする説であった。このことは、解剖写真でよく分かるところである。圧下をすれば、少し影響があるだろうが、舌側弧線や床装置では水平の力だけだから、顔の輪郭には殆ど関係ない話になる。しっかりと、ルンドストロームの歯槽基底論を覚えておくと良い。ルンドストロームは歯根を結んだ線より上を歯槽骨と考え、それより下を基底骨としている。外には硬い皮質骨があるし、根尖部より顎骨の下線までの距離などをみても、矯正の限界として歯槽骨内の異変だと気が付くと思う。ともかく、矯正によって遺伝的な体形までは変化させることは出来ない。
(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
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