「献金が激増…そして3歳児健診の視力検査に国の補助金」2021年に政治献金の総額を前年の倍以上に増やした「日本眼科医連盟」 | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
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「献金が激増…そして3歳児健診の視力検査に国の補助金」2021年に政治献金の総額を前年の倍以上に増やした「日本眼科医連盟」


https://www.tokyo-np.co.jp/article/266839

「先生方のお力添えの賜物」 献金が激増…そして3歳児健診の視力検査に国の補助金2023年8月1日 06時00分(東京新聞)

<医療の値段 環流する票とカネ>番外編㊦
 2021年に政治献金の総額を前年の倍以上に増やした「日本眼科医連盟」。最高額は首相の岸田文雄と自民党幹事長代理・井上信治の側への献金で、各計1000万円だった。次いで元厚生労働相・田村憲久側への計500万円が続く。3人で献金総額約3500万円の7割を占める集中ぶりだ。
日本眼科医会の白根雅子会長(左端)らが岸田文雄首相を表敬訪問したことを伝える「眼科医連盟ニュース」。訪問の翌日、眼科医連盟は岸田首相側に1000万円を献金していた

日本眼科医会の白根雅子会長(左端)らが岸田文雄首相を表敬訪問したことを伝える「眼科医連盟ニュース」。訪問の翌日、眼科医連盟は岸田首相側に1000万円を献金していた

 同連盟が当時、実現に力を入れていたのが、3歳児健診の視力検査に関する国の助成事業。日本眼科医会会長で、同連盟執行委員長も兼任する白根雅子が「眼科医連盟ニュース」で経過を報告している。
 眼科医会は21年5月、元総務相・寺田稔の「指導のもと」、要望書を当時の財務相・麻生太郎や財務省に提出。7月には最終要望書を厚労相だった田村に渡し、「予算確保に向けた準備が整った」。そうした活動の末、22年度予算から補助金が盛り込まれた。区市町村から申請があれば、国が弱視の発見に有用な屈折検査機器の購入費用の半額を出すことになり、購入する自治体が広がった。

 屈折検査 子どもの目の機能は3歳ごろまでに発達し、6〜8歳ごろまでにほぼ完成するが、3歳児健診の際の1次視力検査は家庭で行うため、弱視や目の異常が見逃されることがある。精度の高い屈折検査機器などを導入して総合的に診察することが、早期治療の開始に効果的となる。

◆献金を受けた議員は「えー、そんなに増えているの」

 「国の予算がついたことは小児眼科医療の歴史の一つの節目になったと思います。(小児眼科の)エキスパートの先生方のご努力と、国政において重要な役目をお務めの議員の先生方のお力添えの賜物たまもの」。白根はそう記している。眼科医会の元幹部は「この検査を国が認めたことはわれわれにも非常に大きい」と眼科診療の進展と広がりに期待する。
 同連盟の政治資金収支報告書を13年までさかのぼると、田村の側への献金はパーティー券を含めて毎年10万〜100万円(13年はなし)。それが21年は500万円と大幅にアップした。国会内で田村に聞くと、「えー、そんなに増えているの。認識していないな」と驚いた様子だった。
 寺田の側には17年に10万円あるだけだったが、21年は100万円を献金した。寺田は事務所を通じて「選挙の陣中見舞いの趣旨とうかがい、適法に資金処理した。団体要望の件とは関係ない」と回答した。
 同ニュースには、井上に関するこんな記事もある。
 「井上信治議員のご尽力で、消費者庁からカラコンの注意喚起のポスターが大臣会見で発表されました」。21年9月、消費者相だった井上が記者会見で、カラーコンタクトレンズを購入する際は眼障害の防止のため、眼科を受診するよう呼びかける消費者庁のポスターを紹介し、注意喚起したという内容だった。

◆「先生は眼科を分かっているので、頼みやすい」

 井上は実家が有数の眼科病院で、初当選から同連盟の支援を受ける。13年以降の献金は20年の500万円が最多だったが、21年は1000万円に倍増した。
 取材を申し込むと、「政治資金は法令に従い適正に処理し、報告している。国会議員として様々な方々から政策要望等を頂いており、国民のために必要な事項はその実現にも努めている」と回答が届いた。同連盟は「個別の行為に対する謝礼の趣旨で寄付をしたことは一切ない」とした。眼科医会の元幹部が証言する。
 「井上先生は眼科を分かっているので、何かあると頼みやすい。診療報酬改定で『これはちょっと下げられたら困るな』という時も彼のところへ行く。改定前には議連にお願いし、厚労省を呼んで総会を開いてもらう」。議連とは田村が会長、井上が事務局長を務める党眼科医療政策推進議員連盟のことだ。
 「総会でわれわれが『この診療報酬を下げると国民が困ります』と言うと、田村先生らが『厚労省は眼科医会の先生とよく話し合って』という形で総会を終えてくれる。それで厚労省に話し合いに行くが、うまくいくことも、いかないこともある」
 「医療の値段」である診療報酬や個々の政策に影響力を持つ政権与党の有力者たち。医療費が献金となって還流する構図が浮かび上がる。(文中敬称略)
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 治療や入院など医療行為の公定価格で、2年に1度改定される診療報酬。この30年間、民間給与が伸び悩む中で上がり続け、保険料や税、病院窓口での支払いなど国民負担も増え続ける。連載の番外編では、国会議員連盟を舞台にした医療の値段を巡る攻防を描く。(杉谷剛、中沢誠、奥村圭吾)