床矯正の問題点(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
床矯正の問題点(DBA「間違いだらけの床矯正」より):床矯正による方法は2次元的な力しか加えることができず、3次元的な要求をされる矯正には不適格なのである。このことはとても大きな問題点なのである。ただやみ雲に歯列を拡げればよいなどというものではない。矯正以外の歯科の分野では、ミクロンという言葉を好んでよく使うのである。ミクロンは1000ミクロンが1ミリであるから、1ミリ以下でないといけないのである。1ミリ以上の誤差があるとおかしいと思えるものである。だから、誤差の範囲は1ミリ以下にすることが合格点の一応の基準と考えてよかろうと思う床装置によってそれは不可能である。不可能なものは使用してはいけないのが原則である。床装置による矯正はその他にも多くの問題点がある。とりあえずは、それらをここに並べてみる。1.2次元的な力だけである。2.3次元的なコントロールができない。3.個々の歯の移動が難しい。4.患者が使用しているかどうか疑わしいころがある。5.口呼吸になりやすい。6.睡眠障害になる。7.口腔内が狭くなる。8.力のコントロールができない。9.力の方向のコントロールが大雑把である。10.根尖部の移動などのコントロールができない。11.歯冠は傾斜する。12.歯体移動はできない。傾斜しているだけである。13.成長による力に頼るだけである。14.正しい管理が難しい 。15.管理方法によってはかえって不正咬合の原因となる。16.設計の誤りによって顎の発育を妨げることがある。17.紛失の恐れがある。18.成長などにより床装置が合わなくなり何回も作り替えの必要がある。 19.場合によっては、床臨在歯にムシ歯を誘発しやすい。 20.患者である子供の協力がないと効果がない。21.すれ違い咬合という不治の病を作りやすい。 22.発音障害になる。 23.異物感が強い。 24.デュアルバイトをつくる。 25.舌の動きが不自然になる。 ちょっと考えただけでも、これだけの問題点がある。しかも、効果に多くを期待できないのである。これを子供に強要し、親の知識の浅さを利用して、少ないメリットを並べ立てて誘導することは、放っておけないということになりはしないか。そういう悪質な歯科医にはなって欲しくはない。私はその様に強く思うところである。(DBA阿部和弘先生のお言葉)(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
(DBA阿部和弘先生のお言葉)(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
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歯科矯正コラム一覧
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- ⑫「十 運動軸(うんどうじく)」・・・「手仕事の医療」(てしごと の いりょう)
- ⑪『九 下顎運動』(きゅう かがくうんどう)・・・「手仕事の医療」(てしごと の いりょう)
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- ⑧「六 中心感染(ちゅうしんかんせん)」2024/11/4/up
- ⑦「手仕事の医療 評伝 石原寿郎 秋元 秀俊 (著) 」を読む・・・「五 銅合金」
- 『(歯科医院での)専門的口腔ケアは「インフルエンザ予防」に効果的なんです。』日本歯科医師会のHPより