新型コロナウイルスワクチン接種後の体調不良改善に取り組む「ワクチン問題研究会」は28日、倦怠(けんたい)感や体の痛みなどが長引く患者について、ビタミンDの補充で改善傾向が見られたとする調査結果を発表した。
研究会役員で兵庫県内の病院理事長児玉慎一郎医師(外科)らが東京都内で記者会見し、明らかにした。児玉医師はワクチン接種後に体調不良を訴えた患者80人を診察。そのうち「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)」とみられる症状を示した28人のビタミンDの血中濃度を測定すると、全員が不足(血液1ミリリットル当たり20ナノグラム以上30ナノグラム未満)か、欠乏(同20ナノグラム未満)の状態だった(ナノは10億分の1)。
児玉医師は患者に対し、ビタミンDを多く含む食品やサプリメントの摂取、体内での生成を促す日光浴などの療養を指導。血中のビタミンD濃度改善に伴い、全員の体調が改善に向かったという。
児玉医師は「ビタミンD摂取の改善効果が確認できた。同じ症状に悩む当事者や医師に理解を促したい」と話した。調査結果は近く論文にまとめる。
目、神経、心臓などでも確認
任意団体「全国有志医師の会」は28日、新型コロナウイルスワクチン接種後に発症したとされる症例が、国内134の医学関連学会で147例報告されたと明らかにした。
同会メンバーがウェブサイト上の公開情報などを基に、2021年12月~23年11月にあった医学関連学会の演題447件を調査。接種後に発症したとして、検討の必要性などが指摘された147症例を確認した。
主な症例は表の通り。ぶどう膜炎など目に関する症例が17件で最多。顔面まひなど神経関連の16件、下垂体炎など脳疾患14件と続く。発症部位は心臓や皮膚、脳など。
同会の藤沢明徳代表は「接種と症状の因果関係が国に認められず、泣き寝入りする当事者もいる。接種後の症状を周知し、救済されやすい社会を目指したい」と話す。
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https://kahoku.news/articles/20240328khn000095.html
河北新報オンラインより
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