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「2024.08.10 あの積水ハウスが50億円以上だまし取られた…! 衝撃の「地面師詐欺」の語られなかった真相」


【地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団】2018年、「積水ハウスが地面師に55億円以上を騙し取られた」というニュースに日本中が驚いた。そもそも、地面師とはなんなのか。「不動産の持ち主になりすまし、勝手に不動産を転売して大儲けする」詐欺集団で、騙されるのは、デベロッパーや不動産業者などの「プロ」たち。被害者の中には積水ハウスを筆頭に、信じられないような大手が含まれている。本書は、その複雑で巧妙すぎる手口をすべて記す――購入はこちらから

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2024.08.10

あの積水ハウスが50億円以上だまし取られた…!

衝撃の「地面師詐欺」の語られなかった真相

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2024.08.10

あの積水ハウスが50億円以上だまし取られた…!

衝撃の「地面師詐欺」の語られなかった真相

短期集中連載・第1回

  ジャーナリスト

週刊現代   講談社 /月曜・金曜発売

 

ハウスメーカー、デベロッパーとして国内最大手の積水ハウスが、50億円以上ものカネを騙し取られた2018年の「地面師詐欺」事件は、いまも多くの謎に包まれている。15人以上の逮捕者を出す大捕物になったものの、不起訴になった容疑者も多数いて、公判でもすべてが明らかになったとは言い難い。

このたび、事件をモデルにしたドラマ「地面師たち」(原作・新庄耕)の配信がNetflixでスタートし、大反響を呼んでいる。ノンフィクション作家・森功氏の文庫『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』には、ドラマでは描かれなかった数々の知られざる事実が記されており、その内容を7回連続で公開する。

『地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団』

(森功/講談社)

ストップされた工事

通報を受けた警視庁大崎警察署の捜査員が現場に駆け付けたのは、

2017年6月1日の昼過ぎのことだった。

「あなたたちは、どちらの方ですか」

積水ハウス工務部の担当者たちは、パトカーから降りてきた警察官にいきなりそう誰何(すいか)された。工務部とは文字どおり、デベロッパーが建設工事にとりかかる前に現場の調査をし、資材を調達する先発隊だ。積水ハウスの工務部の社員も、そのために現場で作業をしようとしていたのだが、そこへ警察官が現れること自体、まったく事情が呑み込めない。まさに面食らった。

現場はJR山手線の五反田駅から徒歩3分、目黒川を渡ったところにある旅館「海喜館(うみきかん)」の玄関先だ。不動産代金を払い込んで売買契約が成立したはずの積水ハウスの社員が、古くなった建物の取り壊し準備を始めた。旅館の周辺に赤いカラーコーンを配置し、測量を始めようとした。その矢先の出来事だ。とつぜんパトカーがサイレンを鳴らして駆け付け、周囲が大騒ぎになったのである。五反田駅前にあった海喜館。撮影/濱崎慎治通報したのは旅館の持ち主、海老澤佐妃子(えびさわ・さきこ)の異母弟から頼まれた弁護士だった。警察官がやって来るのとほぼ同時に、その弁護士も旅館の玄関先に現れた。驚いたのは積水ハウスのほうだ。「ここは持ち主からうちが買いとったんです。それで、測量を始めたところですが……」二人の工務部員のうちの一人が、警察官にそう説明した。そこへ通報した弁護士が割って入った。「あんた方、何を言っているんですか。私こそ持ち主の依頼でここへ来ています」すでに旅館の土地建物の売買契約を済ませていたはずの積水側にとっては、まさに寝耳に水だ。「あなたこそ何を言っているんだ。こっちは支払いも済ませているんだよ。なのに、何の権利があって邪魔するんだ」だが、弁護士も負けていない。「私の依頼人は海老澤さんから相続する人なんだ。ここは売ってないんだから、測量なんか絶対にさせないよ」

史上空前「55億円」の被害

近所の商店主が、たまたまその騒ぎを見ていた。当日の出来事をこう振り返った。

「しばらく揉めていたのですが、泡を喰った積水ハウスの人が、うちの店に駆けこんできたんです。そうして『これは、海老澤佐妃子さんじゃないんですか?』とパスポートの写真を見せながら、僕に確認するのです。その写真は海老澤さんとは似ても似つかない別人でした。それで、僕が『まったく似てないので、違う人だと思うよ』と教えてあげると、彼らは青ざめてね。一人は急いで走り去っちゃった。二人のうち残った若い方の人に『オタクたち、おそらく騙されてるよ』って言ってやったんです」

かつては旅館として繁盛していた。撮影/濱崎慎治

残された積水ハウスの担当者は、商店主のその言葉に呆然として立ちすくんだ。「営業部が本人を確認したし、旅館の内覧もおこなったはずなのに……」

工務部の若い担当者は、消え入るような声でそうつぶやいた。かたわらの商店主に説明するというより、ひとりごちるように、こう言葉を続けた。

「そういえば、俺たちが『旅館で本契約を取り交わしたい』と先方に申し出たとき、向こうは変だった。『あまり佐妃子さんの容態がよくないから、旅館じゃなくホテルでやりたい』と断られたもんな。あっ、そのホテルに来た女がこの写真の……ああ、どうしよう」もはや積水ハウスが前代未聞の不動産詐欺に遭ったのは、明らかだ。それでもあきらめきれない積水ハウス側では、事件が判明した6月1日から10日まで、旅館「海喜館」の周囲を封鎖した。その日の夜から、建物に誰も寄り付かないよう、制服のガードマンたちが24時間、この古ぼけた旅館を見張るようになる。地主になりすまして不動産を騙し取る地面師詐欺は、昨今のマンションブームに加え、東京五輪を控えて地価が高騰してきた都内の優良物件が狙われる傾向が強い。五反田駅の至近に建つ旅館「海喜館」は、老朽化して長らく営業もしていない。近所でも地主の海老澤佐妃子を見かけなくなっていたという。まさに地面師にとって狙い目だった。50件とも100件とも言われる警視庁管内の地面師詐欺のなかでも、積水ハウスのケースは飛び抜けてスケールが大きい。事件が発覚したあとの8月2日付の積水ハウスの発表によれば、2000平米(およそ600坪)の土地をはじめとした一連の不動産取引総額は70億円にのぼる。

うち積水ハウスは63億円をニセ地主に支払い、最終的に55億5000万円もの大金をまんまと騙し取られたのである。紛れもなく、これまで類を見ない史上最大の地面師詐欺である。

老舗旅館・海喜館の成り立ち

地面師事件には、それぞれに特徴がある。不動産のプロが騙されるケースはさほど珍しくないが、なかでも積水ハウスの件は、騙された会社の規模が群を抜いている。大和ハウス、住友林業とともに、日本のハウスメーカー御三家の一角を占め、2018年1月の決算では大和ハウスに次ぐ2兆1593億円を売り上げた業界のリーディングカンパニーだ。マンション開発も手掛ける日本屈指のデベロッパーでもある。取引における経験や知識も豊富だ。そんな業界のガリバー企業が、なぜこうも簡単に巨額の不動産代金を騙し取られたのか。

積水ハウス事件の複雑怪奇なカラクリを追う。事件に巻き込まれた地主の海老澤佐妃子は1944年、五反田のこの地で生まれた。生まれた頃、すでに両親が海喜館を経営しており、彼女は旅館で育った。「もともと海喜館は佐妃子さんのお父さんが始めた旅館でした。なにしろ場所がいいので人気があり、ずいぶん繁盛していました」

旅館の周囲を歩くと、古くから住んでいる町内会の役員に出会うことができた。「お父さんはとても羽振りがよく、やがて奥さん以外にも愛人をつくってしまいました。それで夫婦が揉めたんです。あげくお父さんが家を出て行き、外腹(ほかばら)の男の子までつくってしまった。以来、母娘の二人暮らしになり、旅館は佐妃子さんのお母さんが切り盛りするようになりました。お母さんの時代、旅館はずっと賑わっていましたよ」そう説明してくれた。戦前から花街として栄えてきた五反田では、いまもその名残がある。夜になると、ピンクサロンや個室マッサージなど、風俗店のネオンサインに若いサラリーマンの酔客が吸い寄せられる。事件の舞台となった海喜館は、そんな花街から少し隔てた目黒川沿いの老舗旅館として栄えてきた。1975年12月23日、夫に代わり旅館を経営してきた佐妃子の実母きよが他界し、佐妃子がこの不動産を相続した。町内会の役員は、その頃のこともよく覚えていた。「佐妃子さんは、相続後もしばらく板前さんや仲居さんを使って海喜館を経営していました。このあたりは商店が多くてね、町内会の行事にも積極的に参加してくれました」

二人の大物地面師

もともと海喜館は宴会などもおこなえる大きな旅館だった。日本中が空前の好景気に沸いたバブル時代はもとより、バブル崩壊後も出張サラリーマンの宿泊客を目当てに営業を続け、それなりに経営はうまくいっていたようだ。だが、施設が古くなっていくにつれ、近隣に建設されたビジネスホテルに押されるようになり、経営は次第に苦しくなっていった。町内会の役員が続ける。「旅館の経営が成り立っていたのは、10年前まででしょうかね。そうなると、場所がいいからね。『旅館を廃業してマンション経営をしないか』『スポーツジムをやらないか』と、不動産会社の営業マンやら、マンションデベロッパーの社員やら、ヤクザ風の不動産ブローカーにいたるまで、いろんな人が佐妃子さんに近づいて来るようになった。彼らは客を装って旅館に泊まってね、彼女が接客に出てくると、『旅館を売ってほしい』とうるさくて、佐妃子さんも嫌気がさしていたんだよ。しまいに佐妃子さんは常連客しか泊めなくなってね。旅館は絶対に売らない、って頑なに言い続けてきたんです」そんな状態が何年も続いてきた。それでは経営がうまくいくはずもない。海老澤佐妃子は2015年3月、旅館を廃業した。といっても売る気はなく、その後もしばらく板前といっしょに旅館に住み続けた。が、やがて体調を崩してしまう。生来、身体の丈夫なほうでなかった佐妃子は、すでに古希を過ぎていた。町内会の役員はさらにこう言った。「僕が最後に旅館で佐妃子さんを見かけたのは、廃業届を出してから2年ほど経った17年の2月ごろでした。それから姿を見ていません」近所で姿を見かけなくなったのは、彼女が入院したからだ。当然のごとく主が入院中の旅館は、人の出入りが途絶えた。瞬く間に無人の廃墟のように荒れ果てていった。そんな高齢の地主の変化を見逃さなかったのが、地面師たちである。詳しくは後述するが、今度の計画に加わった輩が、この古ぼけた旅館に出没するようになるのは、彼女が入院する少し前のことだった。地面師グループは、一見するとマンションデベロッパーや不動産ブローカーと見分けがつかない。が、彼らは土地を買って開発するつもりなど毛頭ない。土地を材料にいかにして金を手にするか、それだけが目的であり、そこでいろんな手段を駆使する。そうしてそれまでの不動産ブローカーたちに交じりながら、地面師たちが海喜館の周囲に出没するようになっていた。「海喜館の詐欺で最初に計画を立てたのが、マイクと北田の二人でしょう。警視庁も彼らが当初から絡んでいたと睨んで捜査を進めてきました」そう明かしてくれたのは、海喜館について地面師たちの動きを調査してきた東京都内の不動産業者だ。この「マイク」と「北田」とは、内田マイクと北田文明のことを指す。二人はともに、業界にその名の知れ渡った大物地面師である。

 

第2回【あの積水ハウスが50億円以上だまし取られた…! 暗躍した2人の「スター地面師」の正体】につづく。

【地面師 他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団】

2018年、「積水ハウスが地面師に55億円以上を騙し取られた」というニュースに日本中が驚いた。そもそも、地面師とはなんなのか。「不動産の持ち主になりすまし、勝手に不動産を転売して大儲けする」詐欺集団で、騙されるのは、デベロッパーや不動産業者などの「プロ」たち。被害者の中には積水ハウスを筆頭に、信じられないような大手が含まれている。本書は、その複雑で巧妙すぎる手口をすべて記す

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