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「「2239」 芸能界と暴力団シリーズ 続編 O氏との対談「エイベックスの松浦を中心に」(第1回・全4回) 2026年5月3日」


「2239」

芸能界と暴力団シリーズ 続編

O氏との対談

「エイベックスの松浦を中心に」

(第1回・全4回)

2026年5月3日

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副島隆彦です。今日は2026年5月3日です。

今回は私と長年つきあいがある編集者のO氏に、エイベックス(Avex)というレコード会社兼芸能プロダクションについて聞く。O氏はとある週刊誌の編集部で、ずっと芸能記事の責任者をやってきたキャリアがある。彼には2022年から「芸能界と暴力団の歴史」や「中居正広問題とフジテレビの凋落」などについていろいろ教えてもらっている。その対談は、この学問道場の会員向け「今日のぼやき」にある。

(貼り付けはじめ)
【O氏との対談形式の記事は以下の通りです】

「1980」 芸能界と暴力団の歴史について話します(第1回・全4回) 2022年2月7日
 「1981」 芸能界と暴力団の歴史について話します(第2回・全4回) 2022年2月14日
「1982」 芸能界と暴力団の歴史について話します(第3回・全4回) 2022年2月21日
 「1984」 芸能界と暴力団の歴史について話します(第4回・全4回) 2022年2月28日
「1997」 芸能界と暴力団の歴史(続編)について話します(第1回・全3回) 2022年5月30日
「1998」 芸能界と暴力団の歴史(続編)について話します(第2回・全3回) 2022年6月6日
「1999」 芸能界と暴力団の歴史(続編)について話します(第3回・全3回) 2022年6月13日
「2015」 芸能界と暴力団の歴史(3回目)について話します(第1回・全3回) 2022年9月26日
「2016」 芸能界と暴力団の歴史(3回目)について話します(第2回・全3回) 2022年10月3日
 「2018」 芸能界と暴力団の歴史(3回目)について話します(第3回・全3回) 2022年10月10日
 「2063」 日本の暴力団と芸能界(4回目)について話します(第1回・全2回) 2023年6月5日
 「2064」 日本の暴力団と芸能界(4回目)について話します(第2回・全2回) 2023年6月12日
「2203」 中居正広問題とフジテレビの凋落について分かりやすく話す 2025年6月16日
(貼り付け終わり)

副島隆彦です。私は【第2ぼやき「175」ユーチューバーたちの世界 ⑧2010年、エイベックスの松浦が芸能界の中心だった】の続きとして、関連する話をO氏から聞いた。これから、その対談を掲載する。

松浦勝人(2009年)

=====

副島:今日は私からのお願いで、再び、Oさんに芸能界についてお話ししてもらいます。エイベックスの続編をやりたい。YouTubeのユーチューバーたちの世界ということで、私が2025年の年末から考えていることでね。今の日本の若者たちがどこに行ってしまったのかと。

それで、彼らがユーチューバーたちの世界に行っていると分かったんです。それは、ほんのこの10年の話でした。30歳ちょっとのやつらで高校中退みたいな連中なんですけども、今、彼らユーチューバーの真っ盛りで、ヒカル(1991年-、34歳)っていうのを中心にね。今一番人気なのは、BreakingDown(ブレイキングダウン)とかNoBorder(ノーボーダー)をやっている実業家の溝口勇児(みぞぐちゆうじ、1984年-、 現在41歳)、こいつの親分はホリエモン(堀江貴文[ほりえたかふみ]、1972年-、53歳)ですが、この人たちを中心にできている。まあ溝口はサナエトークン事件で一気に信用をなくしちゃったけど。

竹中平蔵とNoBorderの溝口勇児

エイベックスの松浦勝人(まつうらまさと、1964年-、61歳)は、このユーチューバーたちと「コラボ」っていうんだけどね、彼らから尊敬されている形で。二人一緒に並んで対談するという企画に、もうずっと、順列組合せのようにいろんなYouTubeの番組に出ています。

以前(2022年)の対談で、O氏に松浦勝人の話を聞いて、浜崎あゆみ(はまさきあゆみ、1978年-、 48歳 )とか倖田來未(こうだくみ、1982年-、44歳)とかね、エイベックスの松浦自身が育てた歌手たちが中心なんだなって私は分かった。あと沖縄出身の安室奈美恵(あむろなみえ、1977年-、48歳)とかを、ダンスミュージックで育てたっていうかね、活動をしていたっていうことは分かっていました。

私がびっくりしたのは、2010年のTBSの密着取材で、松浦をずっと1カ月以上かけて追いかける番組があって、エイベックスの重役会議という役員会議みたいなところまで見せてくれていた。あとはダンスミュージックですから3万人、5万人ぐらい集めて、東京ドームとかでもやっている大きなコンサートの様子と、その裏の控室の様子や、舞台すぐ下から松浦自身が、一生懸命自分のカメラで歌手たちを撮っている様子とかが映ったんですね。
YouTube熱狂の創造者 松浦勝人のキセキ ←クリックしたら、YouTube動画に移動します

この番組は2010年の放映だけど、これを昨年末に私はYouTubeで見ました。それでこの2010年というのが、エイベックスの松浦勝人のピークのところだったと分かった。その後のエイベックスは社員数1400人のまま、今も続いています。芸能プロダクションとしては一番大手だと思いますが、下り坂になっているということも分かった。

ダンスミュージックも終わって、大規模のコンサートで客を何万人も集めるというのも、おそらく下火になっている。ユーチューバーに負けたんじゃないかと思います。その辺からの新しい流れをね、今回話してもらおうと思ったんです。再度、O氏に話を聞きます。

O:新しい流れというか、副島先生がおっしゃっていたのは、松浦勝人が動画の中で「もうバーニングの周防は怖くない」とポロッと言ったと。それが転換点ではないかというご指摘なんですけど、それは確かにその通りです。さすが、副島先生の眼力です。

■周防のバーニングと松浦のエイベックスの接点

バーニングとエイベックスの接点は何か。ご承知の通りエイベックスというのは、もともと貸しレコード屋さんのアルバイトだった松浦(当時22歳)が立ち上げた会社です。輸入レコードを貸し出してレンタル料を取るレコード屋さんのアルバイト店員だった訳です。それが小室哲哉(こむろてつや、1958年-、67歳)という才能に出会って、彼に曲を書かせたいとなった。それでエグザイル(EXILE)とか、歌って踊れる男の子たちに小室の曲を歌わせて踊らせたいとなった。さらに、小室の曲を浜崎あゆみや安室奈美恵に歌わせれば、新しい形のアイドル歌手にすることができる。このように松浦はずっと考えていた。

小室哲哉(左)と松浦勝人

SAMと安室奈美恵(結婚当時)

その意味で、小室や浜崎、安室を起用した松浦は「目利き」だと思います。そして彼は、単なるレコード屋、レコード会社じゃなくて、音楽制作を手掛け、しかも歌手やミュージシャンやタレントのマネジメントにも乗り出して、という風にプロダクションとしての機能を持つようになりたくなった。その助言を得るために“芸能界のドン”と呼ばれていた、バーニングプロダクション社長の周防郁夫(すおういくお、1941年-、85歳)氏に接近した。それがうまくいったわけですね。

周防郁雄

副島:“芸能界のドン”というコトバをよく聞きますが、これはどういうことなのですか。映画『ゴッドファーザー』で、マーロン・ブランド(Marlon Brando、1924-2004年、80歳で死)が演じたヴィトー・コルレオーネは、ニューヨークのマフィアのドンでしたね。ドン(Don)というのは、スペイン語由来で「首領」とか「大ボス」を意味します。それと同義と理解すればいいのか。

ドン・コルレオーネを演じるマーロン・ブランド

O:はい、その通りです。「芸能界のボス」のことです。芸能界は、たくさんのプロダクションがひしめき合って激しく競争しています。そこには汚い脚の引っ張り合いもある。しかし、そんなことを続けていれば共倒れしかねません。そこで利害調整役が必要になってきます。その利害調整をするのがドンの役割です。

とはいえ、単に「いい人」では利害調整などできるはずもない。「俺の言うことを聞け」と命令して、各プロダクションを牛耳(ぎゅうじ)れる力がなければいけないのです。私が考える、その「ドンの力」の源(みなもと)は3つです。

ひとつは才覚(知恵)。もうひとつは金脈(資金力)。最後の3つ目が人脈(コネとネットワーク)です。のちほどお話しします。

エイベックスとバーニングの接点に戻りますと、バーニングとしては、新参のエイベックスに資金的な援助とか、あるいは歌手のマネジメントができないんだったら、バーニング系列のプロダクションからマネージャーの経験者をちゃんと送ってやるよ、という人的な支援もしてあげることにした。それらには当然、目的があります。

バーニングの周防郁雄氏からすれば、この松浦は結構な商才があって、松浦が仕掛ける歌手、アーティストが売れそうだから、お互いウィンウィンの関係になれるじゃないかと。そう思って協力してあげたんです。

でもそのうちに松浦がどんどん力を持ってきた。一方、周防氏は年齢を重ねていって、もうおじいちゃんになります。当然、戦国時代の武将のように下克上で。松浦は「そろそろ親分の首を切ってやろう」と。そのために「まずは週刊誌によるスキャンダル攻撃で周防を失脚させよう」と仕組みました。

■文春2016年10月27日発売号 の記事

前回もお話したと思うんですが、10年ほど前に、ある記事がわれわれ芸能記者の間で話題になりました。「週刊文春」2016年11月3日号の「三代目JSBはレコード大賞を1億円で買った」という記事です。「三代目JSB」とは、三代目J Soul Brothers(さんだいめジェイソウルブラザーズ、2010年-)という、エイベックス所属のダンスチームのようなアーティストです。バーニングは彼らにレコード大賞を取らせるために、音楽番組への出演から審査員への賄賂まで、いろいろなプロモーション活動をして、そのプロモーション費用として1億円の請求書をバーニングがエイベックスに送りつけた。これが記事の骨子です。

三代目ジェイソウルブラザーズ

三代目ジェイソウルブラザーズというのは、エグザイル(EXILE)の子分です。所属はエルディーエイチ(LDH)という事務所なんですけど、エイベックスのグループ会社なんですね。そのLDHに対してバーニングプロダクションが、プロモーション費1億円の請求書を出した。「レコ大を取らせてやるから1億よこせ」と。要するに金(カネ)でレコード大賞を買ったということです。バーニングの周防氏がそういうことをしたと、それを文春が暴いたんです。

その情報を文春に流したのが松浦だったということは、知る人ぞ知る話です。松浦がなぜそういうことをしたのか。ともかくレコード大賞が1億円の金で買われていたという趣旨の記事を「文春砲」が出した。松浦自身が直接、文春編集部に持っていったのか、それとも部下を使ったのかは分かりませんが、その1億円の請求書の現物を、文春はちゃんと写真で誌面に載せました。

ということは、情報を文春に持ち込んだのは、よっぽど内部に精通している人間です。そうでなければそういう証拠書類を持っているはずがない。周防氏は、もともと「レコード大賞や紅白歌合戦を私物化している」との風評が絶えませんでした。カネや、ときには暴力団の力を使って自分の利権を増大させる。周防氏自身は暴力団員ではありませんが、「バーニングってヤクザなんでしょう」と若い女の子が噂するほどダーティなイメージがついて回っていました。

そういう流れの中で、「バーニングの周防がカネの力でレコード大賞を買った」とする証拠つきの行動をばらすことを松浦は画策した。その真の意図は、「もう次の芸能界のドンは俺なんだ。周防じゃないよ」ということです。それが、先生がおっしゃっていた「周防さんなんか怖くない」っていう発言と繋がると思います。

要するに、お金に汚い芸能プロダクションだという印象を世間に植え付けてバーニングを社会的に弱体化させ、しかも、自分と文春とのパイプも作っておきたい。そのように松浦は考えた。それで、あの記事が出たのだと私は判断しています。

ただ実際は、周防氏の方にはそんなに記事の打撃はなかったんですけどね。バーニングにとってはそれほど深刻なダメージはありませんでした。しかし、「あのネタ元は松浦だよ」って、周防氏に近い人はみんな言っています。

■お互いに持ちつ持たれつ

周防氏と松浦氏は親子ほどに年齢が違います。松浦自身も最近の自分のYouTube(「松浦勝人の秘密基地」というチャンネル)で、「周防さんをガールズバーに連れて行ったらさ、なんか面白がっちゃってさ」などと軽いノリで喋っている。“芸能界のドン”との距離の近さをアピールしたかったのでしょう。

それに、芸能界にはまだ他にも、“ドン”と呼ばれる先輩の実力者がいます。例えば、田辺エージェンシーの田邊昭知(田辺昭知、たなべしょうち、1938年-、87歳)という社長がいます。最近の、松浦のYouTubeでの発言で、「田辺さんは怖いです」と言っている。

副島:田辺は、モデル出身で歌手の小林麻美(こばやしあさみ、1953年-、 72歳)と結婚しているんでしたね。

田辺昭知と小林麻美

O:そうです。子供もいます。田辺昭知は元々ドラム担当のミュージシャンです。彼はザ・スパイダース(The Spiders)というグループサウンズを1961年に結成した。松浦が「田辺さんがなんで怖いかというと、きちっとしているから。だから怖い。周防さんはきちっとしてないから、本当に。お茶目でその辺のおじいちゃんで世間が言うような強面(こわもて)じゃないよ。だから怖くないよ」と。このように、最近の動画の中で松浦は言っています。

だから松浦の「周防さんは怖くないよ」という発言には、2通りの意味があるとも解釈できます。「世間から思われているほど強面ではない」ということと「もう周防の時代ではない。自分が次の“芸能界のドン”だ」です。でも本心は後者の方だと思います。

ザ・スパイダ―ス。中央が田辺昭知。右隣は堺正章

松浦は、自分が芸能界の中で勢力を拡大していくために周防氏に接近した。周防郁雄という人間の威光(いこう)を借りて利用していたわけですよね。一方、バーニングの周防氏も「この野郎(松浦)は俺のことを、なんか利用しているな」ということを勘づいていたと思います。でもそれを口に出すと喧嘩になっちゃいますから、お互いに腹芸で、もちつもたれつでやってきたんでしょうね。

■松浦も周防も、売れるアーティストを見つける目利き

副島:Oさん。あなたは先ほど、“芸能界のドン”たりうる条件として、①才覚、②金脈、③人脈の3つを挙げましたね。「松浦は売れるアーティストを見つける目利きだ」とも。今のお話を聞いていると、この目利きというのは、あなたが挙げた3条件のうちの①才覚の一部ではないのですか。

O:おっしゃる通りです。売れそうな芸能人を見つける「目利き」は重要な才覚です。目利きという点では周防氏にも同じことが言えると思います。古く遡れば、ジャニーズ事務所にいた郷ひろみ(ごうひろみ、1955年-、70歳)を、バーニングが引き抜いたという“事件”がありました。「こいつ(郷)はジャニーズからバーニングへ移籍させたほうがもっと売れる」と周防氏は判断したわけです。

今から50年以上前の1975年のことですが、当時は「郷ひろみ強奪事件」と騒がれました。かなりモメたようですけどもね。その後、周防氏は、歌手に限らず、「これから伸びそうだ」と目をつけた役者、タレントを自分のバーニングプロダクション、もしくはバーニング系列の子会社のような他のプロダクションに移籍をさせていきました。だから、やっぱり売れそうな素材を見つける目利きではあったと思います。それは周防、松浦、両者の共通点です。もちろん演歌・歌謡曲(周防)とダンスミュージック(松浦)と、フィールドは違いますけどね。

郷ひろみ(ジャニーズ時代)

「目利き」と「引き抜き」で思い出すのは、例えば女優の内田有紀(うちだゆき、1975年-、50歳)です。今でもテレビコマーシャルなどで活躍しています。彼女は元々、単なる地方のモデルクラブに所属するタレントでした。ところが唐突にバーニングに移籍して、途端にテレビドラマや映画で主演を張るようになります。当時、そのいきさつを見ていた芸能記者連中は「郷ひろみの時と同じように、周防さんが強引に引き抜いたんじゃないか」って取材に動き、ちょっとスキャンダルになりかけました。

内田有紀

その頃のことです。私がバーニングプロに顔を出したら、そこに周防氏がいて・・・。

副島:ちょっと待ってください。あなたは今「顔を出したら」と言いましたが、面会のアポイントメントもなくバーニングの事務所に行ったのですか。芸能プロダクションというのは、それほど簡単に、誰でも訪問できるということですか。

O:はい、そうです。芸能プロダクションのほとんどは、マンションの1室を事務所にしているような中小企業です。今、東証プライムに上場している芸能プロは、サザンオールスターズなどが所属するアミューズと、松浦のエイベックス。たった2社です。バーニングも赤坂のマンションの1階にあるのですが、受付など置かず、玄関の扉はいつも開いています。

そこにスポーツ新聞や週刊誌の記者、ワイドショーの芸能レポーターたちが「顔を出す」わけです。そしてバーニングにかぎらず、芸能プロには広報・宣伝担当がいて、記者連中の相手をします。われわれ芸能記者は、その広報担当から情報を仕入れるのです。バーニングに通う記者は「B担」(ビーたん)」と呼ばれていました。

話を戻しますと、内田有紀の移籍がスキャンダルになりかけていた頃、私はひょっこりバーニングに顔を出しました。すると事務所にいた周防氏は、てっきり私が内田有紀の件で取材に来たんじゃないかと思ったらしく、「いやいや違う。違うんだよ。ちゃんと契約書もあるから」と言ってそれを見せてくれました。内田有紀の件は円満な移籍だった、ということを言いたかったんでしょうね。

他にも周防氏の目利きに関して私が思い出すのは、いつかの時に彼が事務所の若いスタッフに向かって「これからは路上ライブで人気のあるやつがいいよ。ゆず(1996年に結成)って知っているか?」と言っていました。まだゆずが全く無名で、渋谷の路上で弾き語りしていた頃に、なぜだか路上ライブなどとは縁のないような周防氏は知っていた。彼らを見て「この2人は売れる」とピンときたんでしょうね。

ゆず

それは芸能界に限らず、経営者として商品を売れるようにするためには、副島先生が常日頃おっしゃるように、目利きの部分がきわめて重要なのだと思います。繰り返しますけど、例えば松浦なら「これからはダンスミュージックがいい」「作曲は小室哲哉だ」という風に、音楽性や楽曲への先見性はもとより、これから伸びそうな役者、タレントを見つけてくる。そして小さい芸能プロに優秀で若手のマネージャーがいれば自分の所に転職するよう勧誘し、売れそうなタレントを担当させる。二重の意味の目利きではあったと思います。

■芸能界のドン、他の候補者たち

松浦の話に戻ります。どんどんレコード(CD)が売れて、エイベックスグループが拡大していくと、松浦に「もう周防の時代じゃない。自分が芸能界のドンになるんだ」という野心が芽生えてきたのではないかと、彼を知る人はみんな言っていました。ただ次のドンが誰になるかというのは、ここはいろいろ議論があって、確定はしていません。松浦勝人もその候補の一人ではあるんですけど。

もう一人、候補を挙げるとすれば、谷口元一(たにぐちげんいち)というマネージャーがいます。今はケイダッシュというプロダクションの取締役で、その関連会社のパールダッシュの社長です。彼はどちらかというと、音楽ではなくドラマとかの畑の人なんですけれども。もともとは中山美穂(なかやまみほ、1970-2024年、54歳で死)の親衛隊、追っかけでした。それをきっかけに、TBSのAD(アシスタントディレクター)を経てケイダッシュに入って、マネージャーになった。こういうことは多いんです。それはプロダクションの手法として、そういう人ならタレントを守ってくれる。谷口も、そんな中の一人ですね。

谷口元一

副島:あなたは、その谷口と会ったことはあるのですか。

O:はい、あります。

副島:どう評価していますか。

O:仕事はできます。本をよく読んでいて、ドラマや映画の原作になりそうだと判断すると、出版社と原作権の交渉をして、それが成立したら自分がマネジメントする役者を起用する。実際に彼が手がけたドラマは高い視聴率を取っています。つまりマネージャーと言うよりはプロデューサーです。

だからやはり「目利き」なのだと思います。ちなみにケイダッシュの会長は川村龍夫(かわむら たつお、1941-2025年、84歳で死)という人で、周防氏とは高校の同級生ということもあり昵懇(じっこん)の間柄です。この川村氏も”芸能界のドン”の1人に数えられます。つまり谷口元一は、周防、川村という実力者に仕え、信頼されていた。だから次のドンの候補なのです。

川村龍夫

ただ一方で、彼も松浦氏に負けず劣らす女性が大好きで。男女関係を噂された女性タレントは、ともさかりえ(1979年-、46歳)、榎本加奈子(えのもとかなこ、1980年-、45歳)、井川遥(いがわはるか、1976年-、49歳)など続々と名前が挙がっています。中でも有名な話では、TBSの川田亜子(かわだあこ、1979-2009年、29歳で死)という自殺した女性アナウンサーがいて、彼女は谷口と付き合っていたんですよ。川田はTBSを退職してフリーになり、ケイダッシュに所属しました。もちろん谷口が後ろ盾です。でも仲がこじれて悩んだ末、車の中で練炭自殺した。2008年5月のことですが、その原因は谷口だと、一部では言われました。なぜなら谷口宛ての遺書があったというからです。しかし表沙汰にはなりませんでした。

川田亜子

(つづく)