ムシ歯の処置は注意深く!(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
ムシ歯の処置を誤るな(DBA「間違いだらけの床矯正」より):ムシ歯は自然には治らない。それを放置していれば歯髄のところまで行ってしまう。だから、早期にムシ歯の処置をすることである。1級のカリエスならコンポジット系のものでよい。しかし、2級カリエスはコンポジットのものよりインレーにすることである。乳歯は2級カリエスが多い。これをコンポジットで行ってもいろいろと問題が出やすい。インレーは銀合金でよく、金パラにする必要はない。アメリカのイリノイ大学などでは、乳歯のインレーにゴールドを使用しているなどと言われているが、これほど大切なのが乳歯なのだということでもあろう。しかし、経済的なこともあり、銀合金で十分といえる。銀には殺菌作用があり、銀イオンはプラークの菌に有効である。このことは、コンポジットのレジンとインレーとの修復を見ると、プラークの付き方がまるで違うことでも分かる。インレーなら、1歯ずつの分離が確実であるが、コンポジットだと2級の場合に連結したような充填をしばしば見かける。これは顎の発育に害になり、左右が非対称になる原因になる。それと共に、コンポジットがはがれ、2次カリエスにもなる。これは避けなくてはならない。そして、歯髄まで到達しているカリエスであっても抜歯をしないことだ。永久歯と乳歯は全く違う性質の歯髄だから、同じ処置ではいけない。適確な処置をすれば、乳歯で抜く歯はなくなるのである。レジン充填において、隣接面カリエスの時に2歯をくっつくように充填をしているのを見かける。これは成長期におけるものを邪魔し、いびつにさせる。隣接面のレジン充填は必ず1歯ずつ切り離されていなくてはならない。大きくなればインレーで治すことだ。ムシ歯の処置を誤ると、治療が原因の異常咬合になる。フッ素の活用の予防とかは良いことだから、励行することだ。乳歯だからいい加減で良いのではなく、乳歯は、永久歯と2つの運命を背負っているのであるから注意が必要なのである。小児歯科は乳歯と永久歯という2つに対する責任がある。
(DBA「間違いだらけの床矯正」より)
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