育児・アタッチメント・スキンシップ(DBA「間違いだらけの床矯正」より) | きたざわ歯科 かみあわせ研究所
新潟県柏崎市で矯正歯科・小児歯科・歯科ならきたざわ歯科です。

予約制📞0120-008-418
携帯電話からは☎0257-22-6231

9:00-12:00 / 14:00-18:00
(土曜日は17:00まで)

休診日 水・木(往診等致します)・日

育児・アタッチメント・スキンシップ(DBA「間違いだらけの床矯正」より)


育児:口腔育成とか咬合誘導というからには、育児の総合的な知識が必要である。また、エビデンスという面から言うと95%以上の有用性が必要である。このことを理解しないで、口腔育成とか咬合誘導といって、人工的に介入することはとても危険なことである。私の見た限りでは良くしたというより悪くした方が多いのではないかと思えるのだが。自然の成長に任せ人工的に介入をしないに限ると思う。それは乳歯列は99%以上の確率できれいに生え揃うということである。少なくとも4歳以下の子で咬合異常はあり得ない。もしあるときは遺伝的なものであり、人工的に介入したからといってどうなるものでもない(例外的に、反対咬合は早期着手が有効なことが多い)。5歳以上からのムシ歯や指しゃぶりについては育児ということから考えて対処することである。これらのことも家庭や社会のひずみの中から生じてきた生活習慣病であり、その根本的な改善が必要である。指しゃぶりは無理に治そうとしても簡単には治らないが、子どもの自我の芽生えをもって治ってしまうことも多い。それまで待ってやることである。ムシ歯は出来るだけ治さなくてはならないことは歯科医なら説明もいらないだろう。ムシ歯の治療は別の次元の話であり、歯科側としては、誤った治療をしないことなのである。ところが、乳歯冠をはじめ、抜歯など間違った治療により、医原性の病気を作り出している。この反省がなく、また分かっていない者の口腔育成はとても危険なものであるといえる。

アタッチメント:歯ならびを悪くする原因のものとして2つある。遺伝と生活環境である。このことが分かったのはこの100年ほど前のことであり、それまでは遺伝ということも分かっていなかったし、生活環境によって生物は変化してゆくということも分かっていなかったのである。生活環境に合わせ変化し、進化してゆくという説をたて発表したのが、ダーウィンであり「種の起源」の中で言ったことである。進化論と言われ、1859年のことである。それから6年後の1865年にメンデルにより「メンデルの法則」が発表される。これは35年間認知されず、1900年になって、ふとしたことから復活し見直され遺伝という言葉も出来た。メンデルなどのものは植物実験であるが、1905年に動物も同じだということが認知された。これから遺伝という概念が分かったわけで、歯ならびも遺伝する面があるということである。遺伝と環境の両方が歯ならびに関係しているのであるけれども、そのことが分かってきたのは1905年以降のことだということが分かるであろう。遺伝は別に考えることにして、指しゃぶりや舌の癖などは生活環境の中から生じていることである。子供の精神的な欲求不満がこういう態度を取らせているということである。1969年にイギリスのボルビーという精神学者がアタッチメントという言葉で指摘した。子供の精神的な健康と発達には、特定の人との情緒的な結びつきが必要なのである。赤ちゃんのときから育児における母子相互作用として積み重ねが必要なのである。赤ちゃんのときから出すサインは泣いたり、笑ったり、片言であったりする。それは赤ちゃんからの働きかけであり、その働きかけに母親が反応するという関係を積み重ねてゆく中で愛情が育成されてゆくことになる。これが欠如することによって、指しゃぶりや舌の癖などがひどくなってくるのである。その根本の改善は4歳を過ぎると、自我の目覚めまでは難しい。妨害したり、叱ったりするだけなら、ますます子供を孤独にし、いじけさせてしまうだけである。そのことをどれだけの歯科医が理解しているかである。

スキンシップ:1953年のWHO(世界保健機関)のセミナーで、アメリカの一婦人が言った言葉から発生した造語であるが、これはその後の精神科医のアタッチメントにつながっていく。母親の愛情が子供に伝わるためには、身体的な接触関係を通じてでなければということである。3歳までの子供には特に必要である。その点からも、母乳も大切であり、大人の誰かが出来るだけ接触してやることである。夜就寝している時も、出来れば一緒という姿が望ましく、突き放したような生活は良くない。赤ちゃんから3歳ぐらいまでは本能的に吸い付く癖があるし、何事にも触ってみる癖がある。この本能的なことを害すると、障害されたと思い、児童に欲求不満が生じてくるし、指しゃぶりをひどくさせたり、舌の運動をひどくさせる。そのようにしないためには3歳までの育児が大切なのであって、もし予防というのならこういうことが予防なのである。指しゃぶりをさせないようにとクリブ付きの装置を6歳以上になってするなどというのはどうかしている。子供をいじめている以外の何物でもないし、コンプレックスをつくるだけのことだ。よくよく歯科医は心得ておかなくてはならない。

((DBA「間違いだらけの床矯正」より))

 

  • 歯科矯正コラム一覧